映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

ジョジョの奇妙な冒険 《映画もポスターもどっちも無駄無駄無駄無駄》

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映画の点数…20点
ポスターの点数…10点

 

大人気シリーズの映画化


こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。


今回取り上げる映画はジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けないです。


監督は三池崇史。主演に山﨑賢人、脇には神木隆之介山田孝之伊勢谷友介ら豪華メンバーを揃えました。


僕自身のジョジョとの距離感としては、小学校の時にまさにこの東方仗助編をやって読んでました。


そのあと一通り全巻読んでいて、個人的に一番好きなシリーズはジョルノ・ジョバーナ編ですね。


マニアというほどではないですが、そこそこのファンくらいの感じです。


そんなジョジョの奇妙な冒険


実写化が決まった時に誰もが思ったことでしょう。

 

大丈夫か?

 

実写化、大丈夫なのか?


多くのファンは、ひどい結果になるようだったらいっそのこと実写化なんてしないでくれ、というのが本音だったことでしょう。


さぁ果たして、この映画は大丈夫だったのでしょうか。

 

大丈夫じゃなかった


やっぱダメでした。


それはもう、ダメでしたねー。


三池監督の作品には大好きな作品も複数あるので監督自身の手腕を疑うわけではないのですが、これはイカんですな。


その前に実写化したテラフォーマーズもひどくって、さすがにテラフォーマーズよりはマシだとは思っています。


でも実はテラフォーマーズよりも脚本はひどかったのではないかと思ってます。


そのへんのことをポスターの感想と共に取り上げてみようと思います。

 

ポスターの感想


まずポスターの方から見ていきましょう。

 

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率直に聞きたいんですけど、この映画面白そうですか???


ポスターの役割って「お、今度ジョジョの実写化やるのか、観にいこう」という人から「マンガは知らないけど映画は面白そうだな」とか「きゃー!山﨑賢人くんカッコイイ!映画観に行こう!」とか思ってもらうことが目的なんですよね。


そのいずれも満たしていないんですよ。

 

ジョジョのファン目線


まずジョジョを知っている人からすると「こんなのどう観てもジョジョじゃない」と思いますよね。


ジョジョの魅力って、コマの全てが芸術作品のようになっているようなマンガで。


当然表紙や巻頭カラーなんかでは「ジョジョ立ち」なんて言葉も生まれるくらい奇天烈なポージングを決めてしまうほどに非常にグラフィカルな表現をされます。


そのマンガの実写化として、なんですかねこのヌル〜〜いポスターは。


全然芸術的なセンスも感じない、ただ登場人物を並べただけ。


タイトルの文字もコピーの文字も全然ジョジョっぽくないし。


ジョジョファンから観てはっきりと0点ではないですかね。

 

一般の観客目線


ジョジョのことを知らない人からたらどうでしょうか。


これまた全然ダメですよね。


何やら超能力を使うような映画だというのは分かります。


でもその他のことがまっっっっっったく分かりませんよね。


何故背景にヨーロッパっぽい建物が建っているのか、伊勢谷友介の髪型はどうなっているのか。


ていうか全員ただのコスプレにしか見えないし、こんな人が実際にいるだなんて全く思えません。


ハードルは高いとは思いますが、コスプレに見えたらその時点で失敗なんですよ。


似たような衣装を作ればいいだなんて当然なくて、もっとゼロから美術スタッフと協力して世界観を作らなければならなかったと思います。

 

役者陣ファンの目線


山﨑賢人ファンや神木隆之介ファン目線からみてもこのポスターはダメでしょう。


だって全然カッコ良く見えないし。


理由としては先ほどと同じですが、コスプレにしか見えないからですよね。


ただの「演技をしてる人」にしか見えず、まさかこういう人物がいるだなんてとても思えないクオリティです。


ちゃんとキャラに乗り移ってはじめて「カッコイイ!」となるべきじゃないですか。


近年のハロウィンパーティーの方がもっとクオリティ高いですよ。

 

映画の感想


ポスターの体たらくと同様の映画でした。


終始「今、この場面で、何が言いたいのか」が分からないんですよ。


とにかく映画化するに当たっての脚本のブラッシュアップが出来ていません。


言い訳としては「続編を作った際の伏線として」みたいなことなのでしょうが、不要な情報があまりにも多すぎます。


マンガでは非常に重要な空条丞太郎ですが、この映画においてはストーリー上まったく必要ないでしょう。


それよりも東方仗助と友人くらいにキャラは絞って「俺たちの町は俺が守る!」と整理した方が良かったじゃないですか。


普通に映画を観てると「この伊勢谷友介はものすごく強そうだし、この人に全部任せればいいんじゃない?」としか思えません。


主役の邪魔をしているだけですよね。


敵の配置にしてもそうです。


今回は山田孝之岡田将生が敵として登場するのですが、ボリュームがどう考えてもおかしい。


前半1時間を山田、後半を岡田みたいな感じなのですが、そんな作りならドラマでやればいいじゃん。


映画としてのつながりも全然うまくないし、ストーリーが途中でブツンと切れるような印象なので気持ちも盛り上がっていきません。


別にラスボスの吉良を出せとは言いませんが、「こいつを倒すことが映画のゴール」とか「あと30分で敵を倒さないと誰かが死ぬ」とか映画に目標がないと。


ただただ目の前で起こっていることに一つ一つ向き合ってるだけで、映画としての起伏が全くないんですよね。


一言で言っちゃえば、すごく退屈でした。

 

まとめ


なんか久しぶりに「映画もポスターも救いが無い」作品に出会った気がします。


逆にどうして続編を作れる気でいたのか聞きたい。


少なくとも山﨑賢人さんではもう無理でしょう。


オーディションで選んだか指名で選んだか押しつけられたか知りませんが、どうみてもジョジョに見えませんでしたけどね。。。


だいぶ辛辣な意見ばかりになりましたが、一言だけ言わせてください。


マンガは面白いです。


それでは、また。

 

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