映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

私がモテてどうすんだの映画化に対して

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私がモテてどうすんだ、という作品が映画化されます。


もともと2013年から2018年にかけて連載されていた同名マンガが原作です。


先に白状いたしますと、マンガは未読です。アニメも観ておりません。


僕が観たのは、【映画の予告】のみです。


なので、映画本編の出来や、原作に対する評価や不満は一切ありません。


ただそれでも【映画の予告】だけから伝わる異常な嫌悪感はビッチビチに感じます。

 

気が狂いたい方は下記をご覧あれ

 

movies.shochiku.co.jp

 

この数ヶ月のBLM運動からもみてとれますが、人種差別撤廃への気運がかなり高まっています。


というよりも、行きすぎてどうにもおかしな方向に向かっている傾向も見受けられるのですが、運動自体に関してはもちろん理解を示しつつ自らの考えもアップデートしていく必要があるなと日々感じています。

 

人種差別に関わらず、人はあらゆる差別を認めてはいけません。


性別による差別、生まれに関する差別。当然ですね。


生まれながらのものを差別するなんて、非生産的で最も愚かなことです。

 

ではでは、「あるいは努力でどうにか出来るもの」に関する差別やイジメはどうでしょうか。


例えば職業に対しての差別(性風俗業の方など)、成績に関する差別(出身校など)。


これらもまたナンセンスな差別だと思います。


人がどのような生き方をしてきて、いつどのような決断をしたのか、しなければならなかったかなど千差万別です。


それを表面的な理由で差別するのは良くありません。

 

ではではではでは、タイトルに戻って「私がモテてどうすんだ」という映画(予告)から伝わってくる気持ちの悪さの正体はなんでしょうか。


それは2020年にもなって「太ってた女の子が、激やせしてモテモテになった(けど性格はデブでオタクなまま)」という設定。


うん、気持ちわりーーーーーー!!!!!!


気持ちが悪いですね。


気持ち悪いの他に言う言葉があんまりないんですよ。


バカなんじゃない?とかですかね。

 

マンガは2013年スタートなんで、ここで批判するのはフェアじゃないです。


でも今って2020年ですよね?


映画を撮ってたのって2019年ですよね。


よくこんな企画を今更通そうと思ったな。

 

「太ってた女の子が、激やせしてモテモテになった(けど性格はオタクなまま)」
という一行の中に、ツッコミどころしかないですね。

 

まず「太ってた女の子」という価値観


そもそも日本の女性は痩せすぎだというデータもたくさん出ている中「太っている」という概念自体アップデートしなきゃいけないわけじゃないですか。

 

www.businessinsider.jp

 

デブだの痩せたのではなく「健康で生き生きとした美しさ」に気付こうよ、という世界的な流れの中で、いつまでも「女子高生は痩せてなきゃ!だってデブって醜いじゃん!」という考え方、ああもうすっごいダサいし気持ち悪い。

 

次に「激やせしてモテモテになった」という考え


あのね、男も女もバカにしないでくれない?


「太ってる女の子と痩せてる女の子、どっちがモテるか」で言うならば、それは痩せてる女の子の方がモテるでしょうね、実際。


そこは男ももっとアップデートしていく必要があるし、くだらない価値観と思いますよ。


でもより多くの男性は、「健康的である」かどうかの方が見た目として大事にしていると思いますけどね。


ここでいう健康的、というのは持病の有無では当然ないです。


「痩せる=モテる」を受けれている女性って、男性からアクセサリー感覚で選ばれることを良しとしてるんですか?


それでいいんならいいですけど。


「痩せる=モテる」を単純化して表現する映画が未だに作られてるんだと思ってゾっとしますね。

 

 

そして「けど性格はオタクなまま」という感覚


あのー、デブって全員オタクなんでしたっけ?


痩せて綺麗な人って、オタクいないの?


ていうかここでいうオタクって、BLが好きで歴史好きっていう、かなーーーーーーり表面的なオタクですよね。


ていうか、BLブームも歴女ブームも、ただの流行り物じゃないですか。


この主人公のオタクって、ただのミーハーですよね。


ただのミーハーにオタクも陽キャも関係ないでしょ。


主人公の問題点って、デブとか痩せてるとかじゃなくって大した個性もない「そこらへんにいる普通の女の子」っていうだけのことで。


わざわざオタクっていう設定すら必要ないように見えるんですよ。


なんていうか、どこからどうみても「普通の人」。


その普通の人が、痩せたからモテた!だって。


勝手にやってろよ。

 

まとめ


なんか映画の予告だけでここまで気持ち悪くなることってそうないんですけど、久しぶりにキましたね。


もちろん僕はこの映画を観ませんけど、これだけ不快な内容で映画を作ろうと思うのなら日本映画ってまだまだ厳しいのかな、なんてガッカリします。