映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

シン・ゴジラ 《シン・ウルトラマン公開決定記念》

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映画の点数…95点
ポスターの点数…95点

 

シン・ウルトラマン公開記念


こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。


今回取り上げる映画はシン・ゴジラです。


シン・ゴジラを手がけた樋口・庵野コンビでの《シン・ウルトラマン》の公開が決定しました。


そもそも僕自身はシン・ゴジラを観たきっかけは「話題になってたから」でしかなく、正直なとろこ樋口監督、庵野さんの作品は苦手なものが多かったです。


ましてやゴジラなどの特撮に対する愛もほとんどない状態だったのですが実際に仕上がった映画を観るとまさに大傑作。


シン・ウルトラマンが面白いかは分からないにせよ、絶対に鑑賞するだろうしかなり期待しています。


今回はそんなシン・ゴジラをポスターと一緒に振り返ってみようと思います。

 

ポスターの魅力


シン・ゴジラの大ヒットの要因の一つは、間違いなく秀逸なアートワークにあったでしょう。


公開当時日本中で見かけた真っ赤なあのポスターです。

 

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真っ赤な背景に、ゴジラのシルエット(正確に言うとシルエットではなく、かなり明度を落とした写真なんですが)。


かなり無骨なタイトル文字。


キャッチコピーには意味深に「ニッポン対ゴジラ。」の一言。


かなり豪華な俳優陣を揃えながら、ポスターに名前が載っているのは三名のみ。


削れるだけの情報は全て削り、アートワークとしての完成度の高さを優先させた覚悟を感じます。


一言で言っちゃえば「めちゃくちゃカッコイイ」で済むのですが、このポスターの中でもいくつかの工夫が見られるので読み解いていきます。

 

タイトル文字


タイトルのシン・ゴジラというゴツゴツしたフォント。


これは1954年の初代ゴジラのタイトルと同じ文字を再現しています

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つまりこれは「ゴジラを再び誕生させる」という宣言であり、「60年前にゴジラを生み出した方達への敬意」のあらわれでしょう。


クラシックな雰囲気を出しつつもそれが新しさを感じるというのも制作側の意図でしょうね。

 

その他の箇所のフォントは、詳しく調べてませんが「マティス」というフォントでしょうかね。


これはエヴァンゲリオンのタイトルなどで多用されたフォントで、「庵野さんといえばマティス」というくらいイメージが定着しているフォントです。(違ってたらごめんなさい)

 

シルエット


ゴジラがシルエット(風)になっているのは何故でしょうか。


別にシン・ゴジラのビジュアルがマスコミに伏せられていたわけではありません。


結構早い段階からテレビなどでもビジュアルは公開されていましたし、そもそもゴジラという生物は日本中の誰もがビジュアルを知っているスーパースターです。


それをわざわざシルエットで隠したのだとしたらそこには何かの意図があります。


その意図は「今までのゴジラと同じだと思わないでね」というメッセージでしょう。


「どんな顔をしてるんだろう」「今までとは違うのかな」と興味を持たせることで観客を刺激しています。

 

ポスターデザイン


これは明らかに今までとの差を意識しています。


生頼範義さんを代表に、今までのゴジラ映画は賑やかなポスターがほとんどでした。

 

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より子ども向けにしたものや大人向けにしたデザインの差はあれど、基本的にはポスター内にたくさんの要素が詰め込まれていました。


それを逆手にとって、今回はゴジラ以外の何も画面にのせないという方法で斬新なポスターを作り上げています。


これが今作に関しては大正解でしたね。


世代間を問わずに大ヒットとなったのは、これほどまでにシンプルなデザインに成功したのは大きかったでしょう。

 

ポスターのまとめ


映画のヒットのウラには、うまくいっているポスターもそうでいないポスターもあると思いますが、


今作に関してはほぼほぼ最高点の出来ではなかったでしょうか。


ただマイナス5点としたのは、こちらのポスターにある「現実(ニッポン)対 虚構(ゴジラ)。」というキャッチコピーが少し頭でっかちな気がしたためです。

 

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別に注釈いれなくても良かったと思うんですけどね。

 

 

映画の感想


もう散々語られ尽くした感のある映画なので詳細は省きますが、とにかく大好きな一作です。


セリフが聞き取りづらいとか、石原さとみがウザいとか、最後の作戦が地味とか、政府が無能すぎとか、石原さとみがウザいとか、これじゃエヴァの作り直しとか、石原さとみがウザいとか色々な意見はありますが、それら全部ひっくるめてこの映画の良さだと僕は思ったんですけどね。


そもそも石原さとみは可愛い。


細かい点がおかしいとかは結構どうでも良くって、大の大人達がウシシシ言いながら自分たちのやりたいことをやりきったという結果を楽しんだという感じです。


それで惨敗したのであればそれは全て本人達の責任というリスクもあったわけですが、見事にそれを突破してみせたなと感動しました。


石原さとみさんは可愛いですよ。

 

まとめ


何はともあれ注目すべきシン・ウルトラマンですが、それと同時にポスターも楽しみだなぁと個人的には楽しみにしております。


それまでに10回くらいはゴジラの方を楽しめそうです。


それでは、また。


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