ペット 《売れたのは売れたらしいけど。。》
映画の点数…40点
ポスターの点数…60点
これでいいのか、イルミネーション
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は、第二作の公開を間近に控えた《ペット》です。
原題は《シークレット ライフ オブ ペッツ》とあるように、「人間の見えていないところでのペットってどんな生活してるのかな」みたいな映画ですね。
スタジオはSINGや怪盗グルーで知られるイルミネーション。
というよりも、今はもはや「ミニオンズ達の」イルミネーションみたいな感じですね。
そんなイケイケな会社が手がけるペット。
動物や擬人化された生き物の描写に関してはピカイチの会社なので、ある程度の期待はしていたのですが。。。
トイストーリーじゃん
一人暮らしの女性の元で楽しく幸せに暮らしていた飼い犬マックス。
そんな彼の生活に、保健所からやってきたデュークが加わって大騒ぎ!みたいな話です。
いや、別にいいんですよ、どんな設定でも。
でも明らかに今回の作りだと「ウッディとバズの関係性」をすぐに連想してしまいます。
いがみ合っている二人だけど、最後にはうまくいくんだろうなと思っていたら、やっぱりうまくいくという。
どこからどう見てもトイストーリー1作目でしかなかったですね。。
一度そういう目線になってしまうと、そこから先は「こいつはトイストーリーでいうと◎◎だな」という考え方になってしまって。
映画の楽しみ方としてすごく損だとは思うのですが、そういう見方をした人も多かったのではないでしょうか。
映画の感想
映画のCMを見る限りは「実はペットって普段はこんなことしてる」という部分を楽しんだり、「そうそう、犬ってこんな感じ」というあるあるネタを楽しむ映画だと思ったんですよね。
そういうテンションは20分くらいで終わっちゃって。
良くも悪くも驚いたんですが、そこからかなり荒唐無稽な話になった印象。
ウサギやブタが人間からトラックを盗んだり、人間の殺害を本気で考えたりとあるあるネタからは大幅に逸れていきましたね。
それで映画自体が面白くなるなら全く問題ないんですけど。
そういう感じでも別になかったかなぁと思います。
定型文的な物語展開
そうやって「思っていた映画と違う」ってなるのは別にいいんですよ。
でも、そこで破綻した割にはそこからの物語は本当に定型文的で。
最初の段階で「こうなるのかな」と思った展開通り。
最初は仲良くなかった飼い犬二匹(まんまウッディとバズ)が、危機を越えて仲良くなっていきます。これは予想通り。
保健所から連れてきたイジワルな犬には、元々大好きな飼い主がいたという過去が明かされる(まんまジェシーやロッツォ)。これも予想通り。
命の危機に直面するが、敵対していたウサギが改心して助けてくれる。これも予想通り。
ディスニーとの違いは、少し毒っ気の多いブラックコメディも出来ることなのですからそこを活かせば良かったと思うんですよね。
せっかく「死」とかも扱うのなら、車に跳ねられて無残にも死んでしまうペットとか描いても良かったと思うんですよ。
そっちの方が「生き物を大事にしなきゃ」って思うじゃないですか。
ぶっ飛んだ物語に見えるけど、実はそこまででも無かったという印象でした。
ポスターの感想
日本版も本国版も共通デザインです。
例えばディズニーのズートピアと比べると、動物の質感表現では一歩遅れてしまいます。
その分をデザインで補えているのは良い手段だなと思います。
ディズニーがどうしてもゴチャゴチャしがちなポスターを作ってしまうのにたいして、このようなシンプルなデザインにする方がイルミネーションスタジオの気風に合っているのかも知れません。
思えばディズニーが「よりリアルな表現を」と努力しているのに対し、イルミネーションは初めから「CGで出来るアニメーションの面白さ」を追求しているイメージがあります。
ポスターに描かれるニューヨークの街並みのいかにもCGっぽい質感も、フィクション性を際立たせるには役にたっていると言えそうです。
まとめ
決して好みの作品ではなかったんですけど。。。
でもちゃんとヒットはしてるし2作目も公開されるわけですからね。
毒にも薬にもなりにくい映画なのだとは思いますけど、そういう映画こそがヒットするというのも分からないではありません。
これでペット2が大成功の可能性もあるわけだし、その際にはまたウォッチしてみようと思います。
ポスターからは内容がうかがい知れませんが、今回もアイデアの効いたデザインだなと思いますよ。
それでは、また。
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