映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

シャッターアイランド 《ネタバレギリギリのポスター》

f:id:peasemile:20190617150858j:plain

 

映画の点数…76点
ポスターの点数…50点

 

「衝撃のラスト」系映画


こんにちは、ピースマイルです。


今回取り上げる映画はマーティン・スコセッシ監督作、レオナルド・ディカプリオとマーク・ラファロ出演の2010年の映画『シャッターアイランド』です。


スコセッシ監督とディカプリオのタッグは基本的に良作が多く、今作も手放しで大絶賛……とまでは言いませんが、間違いなく一見の価値はある作品です。


映画のキャチコピーは


1. 「精神を病んだ犯罪者だけを収容する島から、一人の女性が消えた—。」
2. 「この島は、何かがおかしい。」
3. 「全ての謎が解けるまで、この島を出ることはできない。


なんてなかなか興味をそそられるものになっております。


英語でのキャッチコピーはシンプルに「Someone is Missing」ですね。


直訳で「誰かが消えた」です。


この英語の方のキャッチコピーだと……どうなんだろう、かなりカンのいい人ならこれだけでネタが分かってしまうかもしれませんね。


とにかくこの映画は「ラストに衝撃の結末が待っている」系の映画です。


となると、映画同様に「いつ、どのタイミングで、どの情報を出すのか」がポスターにおいても重要になってきます。

 

ネタバレします


今回の映画は公開から時間も経ってますし、作品の性質上ネタバレを踏まえた上でお話します。


もし観ていない方はさっさと今観ているパソコンなり携帯を床に投げ捨てて映画の方を観て下さいね。

 

謎解き映画の一つのフォーマット


このシャッターアイランドは、一体いつ映画を観るのか、映画を観るのが何作目なのかによって受ける印象がかなり違うと思うんですよね。


それは「いつファイトクラブを観たか」とか「ユージュアルサスペクツを観たことがあるか」とか「シックスセンスのオチを知ってるか」とかそういうことですね。


その手の映画を観たことがあると、おそらく映画中どこかのタイミングで「あれ?これってディカプリオが犯人か精神疾患なんじゃないの?」と気付くと思います。


僕は多分映画開始から1時間くらいで気付いたような気がします。


となると、そこから映画をどう楽しむのかは人それぞれで。


自分の推理が正しいか確認しながら映画を観るのか、ただただ退屈に感じながら映画を観るのか。


僕は「きっともう一度裏切ってくれるはず!」と思っていて、でも終わってみるとそうでもなかったなぁという感じで。


2時間以上ある映画なので、もうちょっとコンパクトにまとめて100分くらいにしていたら面白かった気がするんですけどね。


第二次大戦時のトラウマとかは正直無くても良かったような。。。


とは言え、あくまでも監督がスコセッシだし主演はディカプリオですから。


それなりに、という以上には十分に楽しい映画でした。


マーク・《ハルク》・ラファロさんもメチャクチャ良かったですね。


アベンジャーズにおけるハルクもそうなんですけど「こいつはどこまで信用していいのか分からない」というバランスがとてもいい役者さんだなと思います。

 

映画ポスターの感想


というわけで、「実は精神疾患患者はディカプリオでした」というオチを踏まえた上で映画ポスターを見てみます。

 

f:id:peasemile:20190617150849j:plain


うーーーーーん。


なんとも言いがたいバランスでまとめてますね。


まず、画面内にディカプリオ=ネタバレ人物しか写っていません。


となると「さすがにディカプリオが観ている妄想ではない」と思ってしまいそうでもあるんですけど。


でも、暗闇の中でマッチを灯しているなんて構図にしちゃうと「正体に迫っていく」という風にも見える一方、「自分自身に向き合っている」ようにも見える気がするんですよね。


となると「あ、逆にディカプリオ自身が犯人なのか」と気付くような。。。


一端そこは忘れて、このポスターからでは「実は精神疾患患者はディカプリオでした」とは気付かないという前提にします。


だとしたら、けっこう単純に「あんまりいいポスターと思えないなぁ。。」というのが正直な感想です。

 

画面の構図


画面下部にシャッターアイランドがぽつんと写っているのですが、これだけ観ると「アルカトラズからの脱出」とか「そして誰もいなくなった」とかの「この島からは抜け出すことが出来ない」という恐怖感が演出されてるんですけど。。。


そういう映画ではないような気がしちゃうというか。


確かに中盤は「島から出たいけどフェリーが無い」みたいなシーンはあるし「この島、なんかやべえ!!」みたいな感じもあるんですけど。


でも映画を見終わってみるとそこはあまり関係ない気がしちゃうから。


島自体をホラーっぽく写す必要は無かったんじゃないですかね。

 

マッチの意味


特に気になったのが、マッチの使い方です。


ディカプリオが劇中でマッチを使うのは「妻を殺した放火魔を尋問する(実際にはディカプリオの妄想上の犯人であり、放火したのは自分の妻)」というシーンなのですが、そのシーンをメインに使うのもちょっと疑問です。


このビジュアルにするなら「放火魔は実は自分だった」という脚本の時に効いてくると思うんですよ。


なんなら、妻の殺害方法を放火に変更しても良かったくらいです。


よく考えるとこのマッチのシーンは映画の根幹には実はそんなに関わってなくて。


印象に残ってるシーンではあるものの、ポスターにしてしまうと悪い意味で混乱する気がしちゃうんですけど。。どうなんでしょう。もしかしたらもっと大事な意味があったのかも。。。

 

まとめ


この手の「ネタバレ禁止!」が原則のポスターは実に作り手の苦労が垣間見えて面白いです。


今回は僕自身はあまりうまくいったとは思ってないのですが、だからといって「駄目だな!まったく分かってないよ!」と偉そうなことを言いたいわけではなく。


もっと単純に「面白そうな映画」という割り切り方でポスターを作った方が良かったのではないかと思ったんですよね。


映画の内容も、ポスターの内容もいまひとつはじけなかった一作だった気がします。


ところがこの後にスコセッシとディカプリオは「ウルフオブウォールストリート」という大傑作を生むのですから面白いですね。


また彼らのタッグ作品を観たいなあと願っております。


それでは、また。


シャッター アイランド スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 


シャッター アイランド [DVD]

 

↓ 面白いと思ったらクリックください!励みになります!

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


壁に後付け窓シャッター 幅644〜2000mm×高580〜1100mm イタリヤ 半外付型(手動タイプ)簡単サイズオーダー(サッシ・台風・暴風・防犯・雨戸・後付け・壁付・リフォーム・DIY・スラット・ジャバラ・ルーバー) 【承認】