映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

ジャスティス・リーグ Justice League 《ポスターのレベルはMCUよりも…》

ポスターの点数…95点!
映画の点数…65点

 

 

全世界が待望したのかどうかは分かりませんが、スーパーヒーロー達のお祭りの時間です。


MCUシリーズが色々な監督とキャラクターのアンサンブルを楽しめる一方、こちらDCシリーズではザックスナイダー監督の作家性が強烈に強いシリーズになっています。


好き嫌いは分かれると思いますが、良く言えば「重厚で壮大なストーリー」、悪く言えば「小難しくて暗い」シリーズと言えるのではないでしょうか。


まぁ引っ張るようなことでも隠すことでもないので正直に言いますが、僕は映画のレベルとしてはMCUの方がはるかに上だと思っていますし、好みの問題でもMCUの方が好きでございます。


ところがですね、このブログの主題でもある映画ポスターはどうなのか?となると話は違ってくるのです。


ではポスターの評価いってみよう。

 

これが観たかったんだよ!なポスター

 

こちらは海外版のポスターになります。

 

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そうそう、こういうこと!


こういうポスターが観たかったんですよ!


MCU作品群のポスターは、やけに動きが多くてゴチャゴチャしている印象だったのです。


映画の中のワンシーンを切り取ったような作りになっていて、ポスターのビジュアルと映画の内容を少しですがリンクさせているようです。


それが結果的にというか、格好つけすぎててちょっとうるさい、みたいな感じがしていて。


ところがDCシリーズは違いましたね。


横一列の整列でどーーーーーーーーーんっという潔さですよ。


そうそう、これこれ!


さらにこっちのパターンもご覧ください。

 

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顔のアップどーーーーーーーん!ジャスティスリーグ!!!


いやぁカッコイイですねー。


この映画に興味を持っている人がどのようなものを求めているのか、それに対して真正面から答えた素晴らしいポスターだと思います。

別に映画の内容とリンクさせなくても良い


僕はこのブログの中でよく「映画の内容とポスターの内容が違うから良くない」という趣旨のことを偉そうに言うことがあります。


ですが、それはあくまで原則としてという話でして、今作においてはその原則は全く無視していいと思っています。


はっきり言ってですね、ポスターの内容と映画の内容はまったく一致しません。


6人が揃っているシーン自体ほとんどありませんし(これに関しては映画の内容におおいに不満はありますが)、最終決戦も室内なのでこのようなイメージショットはないわけですよ。


でもね、これでいいと僕は思うんです。


そもそもこの映画を観たい人って、映画の内容にこだわりなんてないんです(極めて差別的暴言)。


内容は二の次で「いかにヒーローがかっこいいか」が大事なわけですよ。


だったらこのポスターで全部オッケーでしょう。


「この映画を観れば、かっこいいヒーローに出会えるはず!」という信頼感を与えることが何よりも重要なのです。


そういう意味では映画の内容と完全にリンクしているとも言えますよね。

 

ロゴの強み


MCUに比べてDCシリーズが勝っている点は他にもありまして、それはロゴまわりです。


キャラクターごとのロゴのクオリティが非常に高く、何よりスーパーマンとバットマンは世界中誰でも知っているロゴマークでしょう。


そのあたりのセンスは映画にも引き継がれていて、それを顕著に表したのがこちらのポスターです。

 

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「あいうえお作文」みたいな内容ですが、キャラごとのロゴが強いからこそ出来る遊びです。


MCUシリーズでは不可能な贅沢な遊びです。


見過ごされがちな気がしますが、ジャスティスリーグというロゴ自体もカッコイイです。

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アベンジャーズというロゴに比べたら地味な印象ですが、シンプルでシャープな質感は好印象。


ザックスナイダー監督を中心に、とにかく「ぱっと見でカッコいいかどうか」に対するこだわりがとても強いのだろうなと感じます。


大変いいポスターでしたね。

 

日本版ポスター


はい、こっちはもうなんていうかです。

 

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今上記にあげたこととほとんど真逆になっていますね。


なんかすごいもう残念としか言いようがないです。


確かにね・・・・日本人にとって知名度が低いキャラクターも多いから手を加えたかったんですかね。。。。


だとしてももうちょっとどうにかならなかったのかな。。。。


キャッチコピーもなんか投げやりな感じがします。

 

映画の感想


ポスターでは絶賛しましたが、映画の内容はどうだったでしょうか。


うん、、、、、、、、、、、つまらなくはないけどね。


少なくとも、過去のDCシリーズの中では一番ストレートに面白かったです。


ギリシャ神話ベースの余計な話とかが無い分、スムーズに話を追うことが出来ます。


ところがそれが残念なことに、そういう余計な部分をカットすると途端に「普通の話」になっちゃうんですね。

 

敵キャラのまずさ


まず何より今作は敵キャラがひどかったです。


最初にステッペンウルフという敵が出てきたときには「なるほど、こいつよりももっと強い奴が後から出てくるのだろうな」と思っていたら、まさかのそいつがラスボスでした。


いや、そりゃ当然勝つんですけどね。


でもせめて「勝てるかな?負けるかな?」とドキドキしちゃうくらいの敵でないと。


雑魚キャラのハエ男たちも駄目でしたねー。


なぜキャラクターデザインがとてもうまいDCなのに、敵キャラはあそこまでテキトーなのでしょうか。


敵キャラが魅力的な方が、ヒーロー達のかっこよさも際立つのでとても大事なことだと思うんですけどね。

 

禁じ手・スーパーマン


観る前から分かっていたことではあるのですが・・・


やはりスーパーマンが登場すると映画内のバランスがグチャグチャになってしまいます。


彼一人があまりにも最強すぎるので、いかに映画内に彼を出さないようにするかに苦心しているように感じるんですよ。


実際出てきたら話が終わっちゃうし。


そもそも復活の理由とかがいまいち分かりづらかったです。。


今後、もうちょっと彼の扱いをどうにかした方が良いのではないでしょうかね。

 

良かった点


もちろん良かった点もあります。


話がコンパクトになっている分(ザックスナイダー編集版からは50分カットになっているらしいです)とても観やすかったです。


キャラクターの作り込みが浅いという批評もあるようですけど、これ以上長くならないことの方が重要な気もします。


あとはやはりワンダーウーマンがピカイチに良かったですね。


登場シーンからまずカッコイイですし、彼女が画面で動いているだけでうっとりします。

 

感想まとめ


今後も続いていてほしいシリーズではあるのですが、MCUとは違う独特の世界観を大事にしつつよりブラッシュアップしていく必要はあるんじゃないかなと言ったところです。

 

それでは

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