映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー Vol.2 《映画に対して無難にまとめたポスター》

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ポスターの点数…65点
映画の点数…85点

 

監督 ジェームズ・ガン
脚本 ジェームズ・ガン
出演者    クリス・プラット

 

2017年公開のGOTGシリーズ2作目。


過去の危険な発言をきっかけにマーベル/ディズニーを解雇されていた監督ジェームズ・ガンでしたが、先日シリーズへの復帰が報じられました。


シリーズのファンとしては嬉しい限りです。


世間的な評価としては1作目の方が評価が高い印象なのですが、個人的には2作目の方が好きだったりします。


ですが、グラフィックデザイン的な観点からだと、2作目のポスターはちょっと弱いのかなぁと思っています。


今回はそのあたりをまとめてみます。

 

先に言っておくこと

 

まず、もはや語り尽くされているでしょうが、最低最悪の改題「リミックス」問題についてはわざわざ言うこともありません。


ここではすべて「Vol.2」で通させていただきますのでご了承を。


そしてこの改題はデザインの上でも大きく足を引っ張っています。


もともと英語Ver.では、手書き風の勢いのあるタッチでVol.2と書かれているんですよ。

 

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日本版ポスターではリミックスという文字になっているわけですが、それがカクカクツルツルしたフォントになっています。


これもまた最悪な改訂だなあと思います。


手書き風であるのは、ピーターのお母さんが手作りしたカセットの文字を思わせるという意図があるわけですよ。


また、宇宙空間のストーリーでありながらもやたらと人間くさい(全員宇宙人だけど)登場人物達の血の通った感じを表現するのにも役立っています。


改題も最悪ならば、それを表現するのも最悪なのが日本バージョンなのでした。

 

ポスターの内容


ビジュアルの方ですが、こちらはある意味無難にまとめあげている印象です。


確かに派手な色彩で迫力のある構図とちょっと間抜けなポージングなどはGOTGの世界観をうまく表現しています。


しかし、何か物足りないような気がするのは贅沢なのでしょうか。


せっかくいい映画なのに、なんとなくポスターが地味に思えるのです。

 

ポスターの意図


ポスターからは意図的に今回のヴィランは排除されています(名前はのってるけど)。


これはネタバレを防ぐためなので仕方ないのですが。


だったらせめて、惑星EGOをポスターの舞台にするとかしても良かったんじゃないですかね。


GOTGらしいド派手な色彩を表現するのにもピッタリです。


そうしたら映画を観る前は「派手で楽しそうな映画だな」と思うでしょうし、一回観たころがある人は「ああ、ここは映画のあのシーンだな」と気付いて二度おいしいというわけです。


一応現在のバージョンも画面中心にEGOのコアらしきものが写っていますがわかりにくいですね。

 

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キャラクターのレイアウトなどにも意図がほとんど感じられないのももったいないなあと感じます。


せっかくガモーラとネビュラを同じ画面に置いているのなら、対立している様子を匂わせるとか。


ヨンドゥがメリーポピンズみたいになっているとか。


あとから観て面白がれる要素がもっとあってもいいなと思いました。

 

映画に対してのポスター


GOTGシリーズは、スターウォーズ以降のスペースオペラに対する一つのカウンターを正々堂々と打ち込んだ素晴らしい作品だと思っています。


だからこそポスター一つでも何かしら新しい提示をしてほしいなと思うわけです。


現在は手描きイラストにすることで「スターウォーズへの敬意」と「スペースオペラへの対比」にしていると思うのですが、もうあまりそこにとらわれすぎなくてもいい段階なんじゃないかなと。


GOTGシリーズに対する期待が他の作品よりも高すぎるからこその要望なのだと思います。


ほとんど僕のわがままですね。

 


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映画の感想


1作目での前半1時間の「仲間になる過程」が無くて済む分を、2作目ではキャラクター同士の人間関係をより掘り下げていくとしたのはとても良かったと思います。


単純に「アクションシーン増やそうぜ〜」としてしまった可能性もあるとは思うのですが、あくまでもキャラクターの魅力を引き出す方を優先したのは大正解ではないでしょうか。


ガモーラとネビュラの姉妹関係、ピーターとEGOの親子関係、ヨンドゥとロケットの似た者通しの関係さらにはグルートとドラックスの小さいライバル関係やスタローンとヨンドゥの師弟関係なんかも出てきたりと、よくも2時間でこれだけのことをまとめたなと思う次第。


確かに「会話のやりとりのシーンが多すぎる」という指摘があるのも分かりますし、僕も部分的にはそう思います。


上映時間ももう少し削って2時間ぴったりくらいにした方が良かったかなとも思うんですよ。


とはいえ、シリーズ2作目としてこれだけキャラクターはきっちりと作りきったのだから逆に3作目は期待せざるを得ないでしょうというのが僕の感想です。


無理なのは承知で言いますが、1シーズン10話くらいでドラマ版なんか作ってくれたらいいのになぁなどと考えてしまいます。


けっこうイケると思うんだよな、GOTGなら。


アベンジャーズ エンドゲームではあまり出番の無さそうなGOTGチーム、次作がいつか分かりませんがマーベルシリーズで一番待ち遠しい作品です。

 

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それでは。

 


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