映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

インクレディブル・ハルク The Incredible Hulk 《ポスターも映画も忘れ去られた一本》

ポスターの点数…40点
映画の点数…55点

f:id:peasemile:20190412173929j:plain

 


インクレディブル・ハルク 【MARVELCorner】【Blu-ray】 [ エドワード・ノートン ]

 

 

監督 ルイ・レテリエ
脚本 ザック・ペンエドワード
出演者 エドワード・ノートン

 

マーベルシリーズ(MCU)において、何故かアンタッチャブルな存在になっている作品があると思っていて。


それがこのインクレディブル・ハルクです。


アンタッチャブルというと聞こえはいいですが、早い話が

「すみません、無かったことにしてもらえませんか?」

という感じがするんですよね。


おかげさまで、今の今まで鑑賞を避けてきた今作を今更になって観てみました。


観ればなるほど、こりゃあ手におえないな!という感想でございました。


さっそくポスターの評価と映画の評価を合わせて振り返ってみたいと思います。

 

キャッチコピーがまず駄目

 

何故こういう事態が起こるのかいつも分からないのですが・・・・・


キャッチコピーがまず最悪だなと思います。


いや、別に、「その力、ためらうな」という言葉がおかしいとは言いませんよ。


でもそんな映画じゃ全然ないじゃん!!


嘘はついたら駄目だろうと思うわけですよ。


お客さんを一人でも呼ぶためにキャッチコピーはつけられます。
だからと言って、嘘をついていいわけではないでしょう。


「※個人の感想です」という言い訳も無しでしょう。


だったらその人はライターの仕事を辞めた方がいい。


おそらくですが、「正義のために、その秘められた力を解放するんだ!(キリッ」ってことが言いたいわけでしょう。


これがスーパーマン(マンオブスティールの方)だったら分かるんです。


でもこの映画でのハルクは、自分でのコントロールが全くきかないということが問題なわけですよ。


それがきっかけで恋人と別れたり軍に攻撃されたりと悲しいことばっかりなわけです。


なのに「その力、ためらうな」だと。


てめぇ、誰目線だこの野郎!!

 


S.H.Figuarts ハルク(アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー)◆新品Ss【即納】

ポスターのビジュアルについて


ポスターもこれまた・・・・


意図はもちろん分かります。


主人公ブルースが、暗い表情でさまよっている様子。
軍や警察がそれを追ってきている様子。
その背後には、巨大な恐ろしい生物がいる。。。


ということですね。


あとは全体的に青みがかったライティングをしていたり、全体のトーンを落としています。


でも、いくらなんでも暗すぎない???


アイアンマンに続くMCU2作目なわけですけど、これじゃあまりにも爽快感がなさ過ぎると思うんですよ。


映画を見終わった人ならこのポスターの意図は分かりますが、せめてもう少しだけでもポジティブな要素があってもいいんじゃないでしょうか。


例えば、映画内でも言及されますがハルクの「神々しい力強さ」という面を際立たせるとか。


美しいリブ・タイラーを画面内に入れるとか(安易にポスターにヒロインを入れるのは好きではありませんが、今作は役どころも重要ですので入れても問題ないかと思います)。


当時2作目とは言え、MCUシリーズを鑑賞しようという方の多くは「ちょっとスカッとした映画観たいな〜」といった気持ちだと思うんですよね。


そういう人にとって、このポスターは響いてこないでしょう。。。


もしかしたらですが、ダークナイトシリーズなどの影響があったりするのかなぁ。。。
「悩むヒーローはかっこいい」みたいな風潮は当時まだ強かったですよね。


そこから解放されていくのがMCUシリーズの歴史そのものなわけですが、その転換期に置かれた作品がこのハルクだったのかも知れません。

f:id:peasemile:20190412173902j:plain

 

映画の評価


まずオープニング。


ブルースがどうしてハルクになったのかを、回想シーンで手際よく見せていきます。


言葉による説明はほとんどせず、場面だけでスマートに語っていく手法はとても良かったです。


グダグダとヒーローの誕生までを描く映画が大量生産されたなかで、この潔さは大変好感が持てました。


が。


その手際の良さはここまででした。

 

デジャブしていく映画


この映画、何故か2時間かけて同じシーンが何回も繰り返されるのです。


「さっき観た気がする」ような状況が何回も起こる様はまさにデジャブ。


僕は永遠にこの映画から逃げられないのだ。

 

 

例えば、潜伏しているブルースが米軍に見つかるがハルクに変身して逃げるという場面が2回あります。

 

そこらへんの車両を盾にして戦う場面が2回出てきます。

 

デカパンツを探すというシーンが2回出てきます。

 

何故2回あるのか特に理由がないんですよね。

単純に手際が悪いとしか思ってしまって。

 

リブ・タイラーとのイチャイチャシーンもなんか無駄に長いというか。

そこらへんもっと省略しても大丈夫だよ。

 

とにかく、くどいシーンが多いんですね。

 

リブ・タイラーの存在感

 

それにしてもリブ・タイラーさんはセクシーだなぁと思います。

 

なんというか、マーベルシリーズの中でも艶かしい色っぽさがあります。

 

彼女が出てくるだけで妙にドキドキします。

 

ですが、逆に彼女が出てくると場面が急にかったるくなります。

 

彼女の行動の動機もいまいちノレなくて、今付き合ってる彼氏がいるにもかかわらずブルースと再会したらもう二度と今カレのことを思い出さないんですね。

なんというか、、、、、ビッチにしか見えません。

 

バトルシーンのノレなさ

 

最後のバトルシーンもやっぱり面白くなりません。

 

なぜなら、ただの身内同士の喧嘩だから。

 

それで、周りの人に迷惑かけまくってそれを解決したところで爽快感がないんですよねぇ。

 

せめて最後くらいは『こいつを倒さないとアメリカが危ない!』という奴とハルクが戦ってこそヒーロー映画でしょう。

 

最後の最後までノレない映画だったなという感想でした。

 

それでは。

 

 f:id:peasemile:20190412173913j:plain

 

 

↓ 面白いと思ったらクリックください!励みになります!

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村