X-MEN ダークフェニックス 《最後がこれってどうなのX-MEN》
映画の点数…68点
ポスターの点数…30点
19年目にしてシリーズ最終作
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は《X-MEN ダークフェニックス(2019)》です。
2000年より始まったX-MEN映画シリーズ。
ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマン最大の当たり役としてスタートしたわけですが、シリーズもついに19作目。
ヒュー・ジャックマンは先日X-MENから引退。
映画シリーズもついに今作をもって一応の締めくくりとなります。
シリーズの最終作で言うと、同じマーベルのアベンジャーズも一旦ファーストクラスのメンバーが卒業。
スターウォーズも最新の3作が終了、トイストーリーも一つの終わりを迎えたりと、考えてみるとなかなか切ない1年になりました。
さて、では世界最高の興行収入を叩きだしたアベンジャーズに対し、先輩であるX-MENの最終作はどうだったのでしょうか。
映画の感想
いや………面白い………けどさ。。。。
ストーリーは、けっこう王道のスタイル。
というよりも初期X-MEN3のジーンが暴走する話と通じる箇所は多く、「ダークサイドに落っこちちゃった仲間を救い出せ!」ってのが話のベースです。
「ここがおかしい!」みたいな点はそんなにないんですよ。
ちゃんとまとまっている。
でも正直、「え、これでシリーズ最終作なの?」という感想の方が大きいです。
X-MENっていうのは、コミックスがスタートした1960年代から一貫して「虐げられているマイノリティ達のカウンター」というテーマがあるものだと理解してます。
でも今作はそのテーマの扱いは極めて薄く、「あいつは仲間だから助ける!」とか「あいつは裏切ったからころす!」とか、その程度の話なんですよね。
今まで「差別してきた側の人間」は今回ほとんど登場することはありません。
ラスボスがあれって…
ネタバレになってしまいますが、今回のラスボスはなんと………宇宙人です。
う…宇宙人!!?
ミュータントでもなんでもなく、ちょっと力が強めくらいの宇宙人。
これで盛り上がれと言われてもけっこうツライ。
今の今まで「差別されないよう社会貢献してきた」とか「人里離れて暮らしてきた」とか描いておきながら、最終的には宇宙人をやっつける話になっちゃうって。
それはX-MENシリーズの幕引きとしてはどうなんでしょうか。
おかげで映画の終わりも「なんとなく人間とは仲直りしたともしてないとも言えません」みたいな非常に中途半端な形で終わっています。
2019年はブラック・クランズマンやグリーンブックといった差別を取り扱った映画が評価されました。
というより近年は良くも悪くもマイノリティに対する表現の仕方は映画界全体のテーマとなっています。
そのなかにおいて、X-MENってかなり早い段階から「子どもも観るアメコミを通じて差別が蔓延する社会を立体的に浮かび上がらせる」ことに成功した作品なわけです。
そのX-MENのラストがこれって……いやぁ。。
映画の問題点
この映画の最終的な敵を宇宙人にしたことで、確かに利点も少しはあります。
まず映像的な見せ場として、今まで敵対していたマグニートーと手を組んで「X-MENオールスターズ」として敵と戦う、というのは観てて楽しかったです。
それと、無理矢理解釈するならば「俺たちは差別なんかしている場合じゃない!もっと大きな脅威に対して手を組んで戦うべきだ!」というメッセージという風に、とれなくもないっちゃない(どっちだよ)。
例えば自然災害、環境問題とか?
あるいはテロルとの戦いとか?
でもやっぱりそれって無理矢理すぎますよね。
X-MENに求めるのはそれ以前の問題で、「差別は未だこの世にはっっきりとした形で存在している」ということを描いて欲しいんですよ。
今作ではジーンが暴走することで市井の人から恐れられるわけですが、それもホントに形だけしか描いてなくて。
X-MENがスタートしたのが2000年なわけですから、2019年度版、決定版としての「X-MENとは何か」を真正面から描いて欲しかったですね。
映画としてつまらなかったわけではないので点数的には低くはないですが、個人的にはけっこうガッカリしているところです。
ポスターの感想
ポスター……うーん、ポスターも別になんというか…。
良くないですよね笑
登場人物達をとりあえず並べたのはいいんですけど、そう、この映画って主要な数人のキャラ以外はけっこう暇な時間が長くて見せ場もそんなに無いんですよ。
だからこうして「ポスターの中にはいるけども、特にやることがない」みたいな感じに見えるんじゃないでしょうか。
だったらもうここは一気に振り切ってしまって、ジーン役のソフィー・ターナーをもっともっとデカくして「この人の映画です!!」とするくらいでいいんじゃないかと。
別案
そんなことを考えていたらこういうポスターもありました。
うん、こっちの方がいい気がしますね。
背景の「X」の文字がなんとも言えないダサさを演出していますが、もうそこは逆にアリってことで。
こっちの方がよほどいいビジュアルだと思うんですけどね。
まとめ
それなりに期待していた作品だっただけに、けっこうテンションが低めになってしまいました。
やはりアベンジャーズが奇跡だっただけで、続編をまとめあげるってのは非常に困難なのだなぁなんて思いますよ。
とはいえね、別にX-MENが今更「やっぱり続編作るわ!」とか言い出したところで別に誰も反対しないと思うんです。
もしもこの世に、どうしても描く必要のある差別が表出してきた時にはX-MENが再びやってくるんじゃないですかね。
と、言い訳なんてしつつ。
それでは、また。
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