スカーフェイス 《コントラストの美しいポスター》
映画の点数…50点
ポスターの点数…87点
「苦手」な映画
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は「スカーフェイス」です。
あらかじめ言い訳しておきます。
今回映画の点数を50点としてますが、これはもうすごく単純に「僕がデパルマ監督作品が苦手だから」です。
映画の出来が悪いとかそういう話ではありません。
実際、公開から35年くらい経っても愛されている作品ですからね。
なので点数はもう無視してもらっていいです。
1983年公開のギャング映画。
主演は僕が最も好きな俳優、アル・パチーノ。
上映時間も3時間近くある大作ですね。
えー、それでもなお、僕はどうしても苦手なんですよね笑
映画のストーリー
ストーリーはシンプルです。
キューバのチンピラに過ぎなかったトニー(アル・パチーノ)は、アメリカでギャングに取り入り、出し抜き、コカインの売人として成り上がっていく。
巨大な権力を手にしたトニーであったが、それと引き換えに妻や友人に対しても疑心暗鬼になっていく。
と同時に自信もコカインに溺れ、ついには身を滅ぼしていく。
みたいな話です。
ギャングのサクセスストーリー×アル・パチーノというこの上ないくらい大好きな組み合わせなのです。
ところが。。。
映画の苦手な点
前述の通り、僕はどうしてもこの作品が苦手でして。
この10年後くらいに公開される《カリートの道》も苦手だったので、やっぱり僕はデパルマ監督と合わないんでしょうね。。。
「全体的に淡くぼんやりしたショットが多い」ことや「音楽の使い方がやたら説明的なうえにくどい」という二点が特にダメで、トレンディドラマを観ているような気恥ずかしさがあるんですよね。
女性が出るシーンではやたらとキラキラしたエフェクトがかかるような映像になったり、悲しいシーンでは何回も何回も同じ音楽が流れるし。
こういうのって時代によって評価は変わるのだろうし、この手法が不正解だとは言いませんがとにかく僕が苦手ってことです。
まぁあとはこれも時代的なことでしょうかね、あまりにも女性がバカっぽく見えちゃうというか。
シーンとしては「バカな男性と違い、大人な視点を持った女性」みたいな描かれ方をしてるんですよ。
でも実際におかれている状況は「男性に金だけ出して貰って偉そうにしている」ようなヒロインだったりして。
それじゃ魅力も何も感じないなぁなんて。
やたらエロい服装をしているのもバカっぽいななんて。
これを言ってもしょうがないか。。。
ポスターの感想
この映画は、映画以上に映画ポスターがとても良いと思ってます。
まずとても有名なビジュアル。
画面を真っ二つにバキッと大胆に分割したレイアウト。
その中心に主人公トニーが立っています。
白と黒の分割が、「チンピラから麻薬王へ」とか「親不孝なヤクザと家族思いな青年」とか「裏切るか裏切られるか」とか「天国から地獄」とか、映画に度々出てくる極端な二面性を感じさせます。
銃を手に不遜な態度を感じますが、決して幸せそうだったり豪胆さは感じません。
もっと陰湿で不穏な暴力の匂いを感じます。
タイトルは赤と白に映える赤で、これはもちろん暴力性の表現であると共にデザイン的な美しさも持ち合わせています。
単純なレイアウトのように見えますが、単純だからこそ美しく見せるのに苦労するデザインです。
日本語版ポスター
なんかちょっと笑っちゃうデザインのポスターです。
一個もいい点が見当たらないけどどういうことでしょうか笑
なんでアル・パチーノの文字が鮮やかな青色なのでしょう。
なぜタイトルがこんなに肉太でもっさりしているのでしょう。
それより何より、なんで主役のアルの写真がこんなにかっこ悪いものを採用しているのでしょうか笑
いちいち文句を言うようなことでもないくらい変なポスターですね。
添えられているコピーもなんか勢いで言ってるだけでよく分からない笑
まぁちょっとした紹介でした。
まとめ
「良い映画なのにポスターがダメ!」とか「ポスターが映画の内容を誤魔化してる!」
とかそういう意見をいつも書いている気がするのですが、今作に関しては「そもそも映画が苦手」というなんとも言えない姿勢での感想になってしまいました。
このブログを書く前に、10年ぶりくらいに映画を見直したんですよ。
改めて観るとよく見えるかもしれないって。
でもやっぱりダメでしたね笑
いつかデパルマ監督作で好きな作品に出会えたらいいななんて思ってます。
それでは、また。
↓ 面白いと思ったらクリックください!励みになります!