ジョン・ウィック3 パラベラム 《冗談みたいにカッコイイ映画、そしてポスター》
映画の点数…87点
ポスターの点数…95点
ニッコニコの鑑賞
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は《ジョン・ウィック チャプター3 パラベラム》です!!
いやぁ、今年一番楽しみにしていた映画といっても過言ではないです。
アベンジャーズはぶっちゃけ駄作になる可能性も全然あると思っていたのですが(もちろん出来は最高)、ジョン・ウィックに関しては「絶対に面白いに決まってる!」と思っていたし、やっぱり絶対に面白かったです。
一応点数的には87点くらいのそこそこの点数としていますが、とても理想的な点数だと思っていて。
毎回毎回100点に近いヘビーな映画ばっかり観たいわけじゃないじゃないですか。
このくらいの極上のアクション映画、しかも90点くらいの映画は何回も何回も観ることが出来る最高の映画だと思っているので。
なので、もう100点みたいなもんなんです(ちょっと何言ってるのか分からない)。
正直な感想を言うと、チャプター2の方が個人的には好きでした。
ただそれも微々たる差なんでどうでもいいです。
全部楽しい。
映画が始まってから基本的にニコニコしながら鑑賞してました。ああもう最高。
映画のストーリー
ストーリーは、あるようなないような。
一作目は一応、飼い犬を殺した奴に復讐!みたいなストーリーはあったんですけど、今作ではもはや「NY中の殺し屋から逃げ回れ!」という、ほぼ別の映画の話になっちゃってるので。
例えば「図書館に行かなきゃ!」というシーンがあったとしたら、図書館で何かをするのが目的ではなくて「さぁお客さん!今度は図書館を舞台に大暴れしますよ!!」という観客への説明なんですよね。
馬が出てきたら「さぁ!次は馬に乗って暴れるよ!」ってことだし、寿司職人が出てきたら「包丁で戦うよ!」ってことなんですよね。
個人的にはこういう「ただ舞台を用意するためだけの脚本」って嫌いなんですけど、この映画に関してはそんなことどうでもいいってなもんで。
基本的な目的は「逃げるぞ!」ってことだけなんですけど……さすがにそれだけでは観客は満足しないと分かってらっしゃるキアヌ・リーブス。
最後の最後で「次は俺が殺りに行く番だ」とばかりに予告して終わってましたよ。
僕は本作で一応終わりの作品なのだと思っていたのでこれは嬉しいサプライズでしたね。
映画の良かった点
この手の映画の良かった点を説明するのは難しいですね。
そういう「言葉で表現できないもの」をアクションで表現している映画なのですから。
ですが一応それでも言葉で表現するなら、豊富すぎるアクションのアイデアにとにかく感謝ということですかね。
冒頭の図書館でのバトル。バイクのチェイスシーン、砂漠でのバトル、満を持してのホテル内での戦争。
これでもかというくらいにアクションシーンの連続なのに、どのシーンを切り取っても本当にフレッシュな映像の連続で。
ここまですごい映像群から想像するに、これは監督やスタッフの経験値だけでどうにかなるものではなくって、本当にアクションが好きな人達がニコニコしながら楽しんで作っているのだろうなと思うんですよ。
そういう映画って観てるとこちらも楽しくなってくるというか。
非常に観客との距離感が近い映画だなと思います。
それが3作目でなお出来ていることに驚きます。
極彩色が印象的な美術も健在で、今作はより「天国か地獄」を思わせるような照明が目立ちました。
もはや1作目とは違う映画なのに、不思議と同じ世界観であるように感じるギリギリのラインは守っています。
ポスターの感想
この映画、3作目にしてついにポスターシリーズがぶっ飛んできました。
一作目のポスターは事務的であまり良くなかった。二作目のポスターは世界観を活かしつつも見事なアップデートをしてみせた。
そして3作目。
あまりにもアイデアが思いついたのか大量のビジュアルが飛び交っています。
まずはこちら。
シリーズの中で最も宗教的な要素が盛り込まれたチャプター3の特徴を一つのビジュアルにまとめています。
地獄を思わせるような宗教チックな彫刻なのですが、よく観ると無数の武器がジョンウィックの方を向いていたり、ピンクと青を使い分けたもはやテーマカラーであったりと、ジョン・ウィックの世界観をきっちり守っています。
まだまだあります。続いてはこちら。
こちらもピンク(オレンジ)と青を活かしたポスター。
キアヌ・リーブスの輪郭すら背景に溶けているようなビジュアルは、ジョン・ウィックの未来を暗示しているようで不安感を感じさせるデザインになっています。
光は当然のように逆光です笑
こちらのポスターも素晴らしい。
前作のポスター異常に「世界中、みんな敵」感がビンビンです。
さすがにこのポスターのみで「ジョン・ウィック3、公開ですよ!」というにいはチャレンジングすぎるポスターですが、補助的なビジュアルとしては最高にクールです。
日本語版ポスターも負けてはいません(日本オリジナルではないですよ)。
ホテルから閉め出されたジョン・ウィックがぼやけた輪郭で窓にうつっています。
このハッキリと顔が見えないけど悲しそうに見えるあたりにジョン・ウィックというキャラクターとキアヌ・リーブス自身のキャラクターがうまくマッチしています。
いつからか分かりませんが、彼は悲しそうな顔が似合う俳優になりましたね。
彼が不安そうにしているだけで映画が面白くなります。
キャッチコピーもなかなか良いです。
「伝説。遂に、出禁。」
ポスターのキャッチコピーで「出禁」ってついたの観たことないですね笑
実にシンプルな6文字ですが、これだけでも映画の輪郭をしっかりおさえています。
ちょっと残念なポスター
こちらは残念な方のポスターです。
確かにこのポスターが一番ポスターらしいポスターだし、お客さんが観ることを考えるとこういうポスターは必要です。
ですが、ちょっとやっつけ仕事感が強い気がして。
あまりにも他のポスターに比べて浮きすぎです。
まとめ
非常に満足度の高い映画でした。
この映画を年間ベストにするということはありません。
しかし、何度も繰り返して観るという意味ではこの映画が最も適しているのではないでしょうか。
そのくらい制作陣にとっても気合いの入った作品だったのだろうし、実際に面白かった。
それに伴って良作のポスターがボカスカ出てきたあたりも嬉しい限り。
もうすでに次作が気になりだしています。
禁断症状が出る前に公開されることを願っております。
それでは、また。
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