勝手にふるえてろ 《完全な「俺」映画》
映画の点数…99点
ポスターの点数…55点
最も好きな邦画
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は《勝手にふるえてろ》です。
松岡茉優さんが初主演を務めてます。
この映画自体は2017年の映画なんですけど、2018年は《勝手にふるえてろ》《万引き家族》《ちはやふる》などで一人で大暴れしていた印象ですね。
今最も好きな俳優さんの一人です。
と同時に、僕はこの《勝手にふるえてろ》が個人的には邦画ナンバーワンの映画だと思っています。
【個人的に】とわざわざ足したのは、映画としての完成度は万引き家族やカメラを止めるな!の方が確かに高かったと思ってるんですよ。
もちろん、今までの数多の優れた映画もたくさんあって。
ただしそれでもあくまで個人的にはこの映画が最も大事な作品だし、特に主人公のヨシカとは今後の人生で何度も立ちはだかるのだろうなという愛すべきキャラクターだったり。
だからこそこのブログのヘッダーにもチョイスしてるんですけどね。
とにかく、僕はもはやこの映画を冷静に観ることなんか出来っこないくらいに取り憑かれております。
そういう、ちょっと頭のとろけた人の文章だと思ってお読みください。
「俺」映画
この映画を観た方の感想でもたくさん見かけたのですが、「まるで自分を見ているようだ」という印象を強く受ける作品なんですね。
僕もやはりその通りで、主人公ヨシカ(松岡茉優)が自分に見えてしょうがなく。
そのヨシカがあまりにもイタい行動をとる度に「お願いだからもうやめてくれ」と思いながら映画を観ていました。
映画館で途中退席しようかと思ったのは初めてかも知れませんね。
「これ以上この映画を観ていたら僕はもう立ち上がれないかも知れない」というほどに心臓にショットガンをぶっ放された気持ちでした。
それくらい「俺」映画だったからこそ大事な作品になりました。
だから僕は「絶対に面白い映画だから見ないと損だよ!」とまでは言えないというか。
この映画のこと、ヨシカのことを全く理解できない人もたくさんいると思うんですよ。
でももしかしたら僕がそうであったように、生涯忘れられないような出会いになる可能性も秘めている素晴らしい作品だとも本気で思っているので。
やっぱり全ての人に見て欲しい作品だとは思います。
映画の感想
もはや好きすぎて冷静な判断は出来ないんですけど、あえて二点だけ苦言を。
残り15分くらいで出てくる花火と卓球のシーンはちょっと過剰すぎたかなと思います。
その直前のシーンでヨシカは「妄想から強制的に現実に引っ張り込まれる」というシーンが連続していたので、再度ファンタジー色の強いシーンは入れない方が良かったのではないでしょうか。
そして、さすがに効果音・SEが多すぎるかと。
コメディシーンに多用されていて、確かに面白くはあるのですがいくらなんでも説明過多な音の使い方が多かったかと思います。
コメディ映画なので多少はあってもいいと思うんですけどね。
最後に付箋が「燃えるような音をして濡れる」シーンがあるのですが、ああいうシーンでの音の緊迫感を持たせるためにはその他のシーンでも音に気を配る必要があったのではないかと。
気になったのはその二点くらいです。
あとはもうとにかく大好きです。
ポスターの感想
愛してやまないこの映画ですが、映画ポスターに関しては少し悔しい思いをしています。
ビジュアル的にはとてもいいポスターだとは思うのですが、映画ポスターとしてはもっとやりようがあったのではないかと思います。
この映画をジャンル分けするなら「コメディ」だとは思うのでコメディ的なポップな絵作りをするのは分かるんですが、ちょっとやりすぎていると思っていて。
コラージュで映画の要素をたくさん入れているのは見ていて楽しいのですが、かえって地味な印象を増しているような気がするんです。
映画の見せ場のようなものを並べているのに、同じ人物が何度も出てきていたり、さすがに不要だと思えるような人物まで載っていたり。
これでは逆に「あんまり見せ場のない映画ですよ」と感じてしまうと思うんですよ。
実際にこの映画は「車が爆発する」とか「血が大量に出る」とか具体的な見せ場はない映画です。
ですがその分、主人公であるヨシカ=松岡茉優という人物をずっと見続けていられる幸福感があるじゃないですか。
だったらもっと正々堂々と松岡茉優のアップのみでも良かったんじゃないですかね。
このポスターにおける松岡茉優さんは本当に見事な表情をしているし、この顔だけでも十分にポスターとして機能したと思うんですよ。
確かにこの顔だけでは暗すぎるので、背景の配色などでポップさを足すのはいいと思いますが。
「松岡茉優」「赤い付箋」「キャッチコピー」「タイトル」という要素くらいに絞った方が良かったのではないでしょうか。
この映画内ではヨシカは最後の残り5分くらいまでは実はずっと一人だったので、もはやイチと二の二人も画面からいなくて良いのではと思います。
キャッチコピー
キャッチコピーはとてもいいですね。
小説についている「恋愛、しないとだめですか?」というシンプルなキャッチコピーもいいんですけど「この恋、絶滅すべきでしょうか?」というワードはかなりパンチ効いてます。
「この恋、終わらせるべきでしょうか?」では復活の余地が残っているし、次への希望を感じます。
ですが「絶滅」というワードになるだけで「もう二度と蘇らない」とかそれが即ち、それまでの人生の「死」を意味することを強く感じることが出来ます。
変に仰々しくなく、丸フォントでサラッと入っているバランスもいいですね。
まとめ
あまりにも自分にとって好きな作品すぎて、映画自体をまともに考えることはもはや難しいなと改めて思いました。
もしも見ていないという方がいたら、とにかく一度でいいから見て貰いたいというのが僕の言いたいことの全てです。
ちなみにですが、映画が終わったあとに流れる黒猫チェルシーの楽曲も本当に素晴らしいです。
劇中、二を演じた渡辺さんはバンドは活動休止して今は俳優業に専念されているようですが、良かったらまたバンドとしても活動を見てみたいと思います。
いつも以上にまとまりのない文章で申し訳ない。
それでは、また。
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