インデペンデンス・デイ 《愛は溢れた映画とポスター》
映画の点数…60点
ポスターの点数…75点
ID4
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は《インデペンデンス・デイ》、通称ID4です。
念のためにだけお伝えすると、インデペンデンス・デイはアメリカの独立記念日【7月4日】のことを指します。
なので略称がID4なんですね。
ローランド・エメリッヒの代表作である今作、主役にはジェフ・ゴールドブラムやウィル・スミスを迎えた豪華な作品です。
役者陣が豪華なのもありますが、これはもう単純に映画が豪華です。
1996年当時、まだまだCGの可能性を探り探りだったあの時代においてのディザスタームービーの最初期の傑作なのは間違いないでしょう。
この後にアルマゲドンやタイタニックが登場するわけですが、「地球の大都市を丸ごとぶっ飛ばす!!!」という映像を大衆に広く知らしめたのは今作が最初だと思います。
ターミネーターとかもすでに核で荒廃した世界は描いているんですけど、あれは限定的な地域に絞った映像でしたからね。
映画の目的そのものが「派手でゴージャスな映画」だったと言えそうです。
映画のストーリー
知らない方はほとんどいないでしょうが、ストーリーを少しだけ。
独立記念日を直前に控えたアメリカに、突如として巨大宇宙船が飛来する。
混乱するアメリカ国民と政府、軍。
しかも飛行体は一機ではなく世界各国の主要都市にいくつも飛来しているとのこと。
これはマズイぞ。
そこで立ち上がったのは、彼女はストリッパーで空軍の一兵卒ウィル・スミスと、町の電気屋さんジェフ・ゴールドブラム。
「お前らに任しちゃおけねえ」と自らも戦闘機に乗り込むアメリカ大統領。
果たして世界の運命とは……
みたいな感じですね。
こうやって書くとしちゃかちゃなんですけど、実際に映画もしちゃかちゃなので問題なし。
ポスターの感想
こりゃあもう、一言ですね感想は。
未知との遭遇オマージュでございます。
映画の中でもけっこう直接的なオマージュはちらほら見かけることから、意識的に狙ったのは間違いないでしょう。
確かに映画全体が「未知との遭遇でやってきた宇宙船が、実は攻撃的な奴らだったら」みたいなもしもシリーズとも言えます。
もっとも、道との遭遇よりも設定が近いのは《宇宙戦争》の方です。
どちらもスピルバーグではありますが、宇宙戦争の方は原作がありますのでそちらに似ているという感じでしょうか。
《未知との遭遇》のポスターの方は青色をベースに。
だったらとインデペンデンスデイでは赤色をベースにして不穏感を増幅させています。
一目で「これはただ事ではないぞ」と思わせるのがやはり「デカさ」ですね。
とにかく宇宙船が巨大。
都市を丸ごと覆うぐらいデカい。
逆に言えば、その他の情報はまるで分からない。
どんな生き物が乗っているのか、敵なのか味方なのか。
この映画のキモはまさにそこなので、その点を強調するのはとても自然だし効果的です。
オマージュでもあるしシンプルな構成ではあるものの、必要な情報を過不足無く伝えているいいポスターです。
映画の感想
映画本編の方はある意味ではすがすがしいです。
とにかく「俺たちの自慢したいアメリカ」を存分に楽しませてくれます。
どんな敵であろうと負けないアメリカ、軍紀は多少無視しても家族を大事にするのがアメリカ、地球を救うミッションでも、やる気があればアルコール依存症の人も雇っちゃうアメリカ。
細かい点が異常にいい加減に作られている映画であるものの、要所要所で「見せ場」を作ることでフォローしている点が救いです。
なんと言っても最終決戦前の大統領演説。
そもそもあんないい加減な場所で演説を始めるのもどうかと思いますが、「今日という日の独立記念日を祝福しよう!!」の一言で全部持ってっちゃうあたりが憎いですねぇ。
映画全体のことを言わせてもらうと「ダメ映画」だとは思いますよ。
でもなんだかんだで楽しめちゃうのもこの映画。
ツッコミありきの態度でのぞめばそれなりに面白いです。
映画の不満点
以前観た時はさほど気にならなかったのですが、特に大統領がひどかったですね。
扱いとしては「人情味のあって責任感の強いリーダーシップのある大統領」として描いているように見えます。
でも実際のところ「地球に危機が迫っているときに奥さんや子どもの心配ばっかり」とか「職務を全うしているだけのタカ派の国務長官を突然クビにする」とか「一刻も早く退避してくださいと言われているのに、いや!俺は残る!」と駄々をこねたり、最後には「俺はパイロットだ。宇宙船は俺がやっつける」と軍歴を離れて長いにも関わらず空に飛んでったりとか。
とにかく自分勝手な人なんですよね。
お前そりゃあ支持率40%切ってもしょうがないよ。
というかよく40%もあると思うよ。
そもそもですね、映画の冒頭で「大統領の支持率が下がっている」なんて情報は入れるべきではなかったんですよ。
あのシーンがあることによって「これは実は自身の支持率をあげるための作戦なのでは?」なんて余計なことが気になっちゃうんですよ。
映画全体を通してやたらと家族の交流のシーンを入れたり、結婚するだのしないだのいれているせいで無駄に上映時間が長いんですよね。
2時間20分くらいあるんですけどそんなにいらないですよね。
まとめ
僕はこの映画を傑作だなんて思ってはいませんが、何故でしょうか、数年に一度思い出したように観てしまうんですよ。
脚本とかはあれだけど、CGと設定で目をくらませて強引に観客をつかみ取るような姿勢は嫌いではありません。
そんな映画があってもいいじゃないの。
そんな気分を味わいたい方は、久しぶりに鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
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