映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

ボス・ベイビー 《映画もポスターも中途半端!》

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映画の点数…40点
ポスターの点数…50点

 

これはちょっと…


こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。


今回取り上げる映画はボス・ベイビーです。


ドリームワークス・ユニバーサルで制作されたアニメーション。


興行収入的にも大成功をおさめて、続編の噂なんかもチラホラ。


ただし僕のまわりでは賛否がけっこう分かれていて、さて僕はどうだったかと言うと。。。


ごめんなさい、全然良いと思えませんでした。。。


いや待て、このブログでは映画ポスターも同時に評価している。。
この映画、映画ポスターのレベルは……

 


ああ、こっちもそんなに良くない。。。。

 

映画のストーリー


7歳の少年ティムは、両親に愛され幸せに暮らしていました。


そんなある日、突然ティムの家に全身ブラックスーツの赤ちゃんがやってきました。


弟として迎え入れられたその赤ちゃんには裏の顔があり、世界中の赤ちゃんの管理部として働く秘密の職員だったのです。


大人な赤ちゃんボス・ベイビーとティムの奇妙な共同生活が始まるがーーー

 

みたいな感じです。


別に僕は「赤ちゃんが喋るみたいな荒唐無稽な話が嫌い」なのではないです。


アライグマや木が喋っている時代ですから。


そりゃ赤ちゃんくらい喋るでしょう。


問題はそれで面白いかどうかですから。

 

設定の難解さ


このアニメは幼児から大人まで対象にしている映画です。


元々は絵本が原作でもあるので、多少の強引な設定は仕方ないでしょう。


ただ、それにしたって物語の進行が不親切だと思いました。


冒頭、主人公が大人になった声から始まります。


後に分かるのですが、主人公が自分の娘に昔の話を聴かせているという設定です。


つまりこれは「大人が話していること」だと思って映画を観ることになります。


そこに、スーツを着た赤ちゃんが出てきます。


こちらとしては「ティムが空想上の話をしている」もしくは「本当に赤ちゃんがスーツを着てやってきた」どちらかだろうと予想します。


そう思いながら映画を観ていると、これが空想なのか現実なのかいつまでたっても分からないんですよ。


ベイビーの視点でしか分からないセリフなんかが出てくるので「なるほど、やはり現実の話か」と思っていると「ロケットで犬を世界中にばらまく」とか「記憶を消す道具が存在する」とかいかにも空想上のネタみたいなのを入れてきたり。


こういう話って、そもそも赤ちゃんが喋るだけでファンタジーなんだからその他の要素ではあまり非現実的なものを出さない方がいいじゃないですか。


でもこの映画ではそういうバジェットみたいなのをバンバン出してきちゃうのでだんだんとどうでも良くなってきちゃって。


非現実的なアイテムが出るわりには、たまにゴッドファーザーホームアローンのパロディーなんかも入れてきてむしろ冷めちゃうというか。。

 

 

カタルシスがない


「赤ちゃんなのにオッサン」みたいなギャップを楽しむコメディーかなと思いきや、基本的にはただのオッサンとしてしか活躍しないので。


ティムと赤ちゃんのバディ感って実はほとんど無いなと思ったんですよ。


赤ちゃんだから成功した作戦って、犬の出入り口から入ることが出来るとかそのくらいしか無かったような。


「これ、別に赤ちゃんである必要ないよな」と思ってしまった時点で映画としてどうなの?と思いましたけどね。。。


さらに映画のどこにカタルシスがあるのか分からなくて。


「人間よりも子犬の方がかわいがられている!だから可愛い犬の販売を阻止せよ!」という内容なんですけど、「いや、どうでもよくね???」としか思えなくって。


人間と犬の可愛さって全く別の要素だと思うんですけどね。。


で、結局犬はロケットに飛ばされず済むんですけど、かといって犬がいなくなったわけでもないし。


ティムとベイビーの友情もどこで築かれたのかよく分からないままお別れがくるので感動も何もなかったです。。。

 

ポスターの感想


ポスターも非常に中途半端です。

 

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言いたいことは「赤ちゃんなのにスーツをキメている、でも哺乳瓶が置いてある」みたいな多重的なギャップコメディなわけですよね。


そのわりには実に中途半端だなと思います。


まず表情が中途半端。


デニーロみたいなマフィアっぽい顔をしているんでしょうけど、だったらもっとねじ曲がった顔にしても良かったのかなとか。


さらにアイテムのクオリティもあまり高くなくて。


ギャップを楽しみたいわけですから、スーツの艶が感じられるようなクオリティを見せるとか、哺乳瓶の横に万年筆があるとか、何か工夫が出来たと思います。


結局この映画って、ポスターから想像されるような映画展開の予想を超えてくるまではないんですよね。


どの要素も中途半端だなって思ってしまいます。。

 

まとめ


せっかく面白くなりそうな題材を持っていながら、出来上がったモノは「なんかどっかで観たな」くらいのネタにとどまるか、もしくは世界観が分からなすぎて退屈するかどっちかだったなと思います。


結論を言うと、これ子ども向けのアニメとはちょっと思えなかったな。


もう少し前半部分でスマートにキャラ説明と設定説明が必要だったと思います。


それでは、また。

 

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