スパイダーマン(2002) 《心意気、それは十分に買った》
映画の点数…68点
ポスターの点数…80点
哀しいニュース
こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。
今回取り上げる映画は《スパイダーマン(2002)》です。
サム・ライミ監督、トビー・マグワイアによる記念すべき第一作。
これが初の作品化ではないとはいえ、この時期に制作されたX-MENと共に「ヒーロー映画って真剣に金かけて作れば、ちゃんと面白くなるぞ」というのを確立させた一本であるのは間違いないでしょうね。
この一本が制作されていなかったら、今のアベンジャーズはきっと違う形、もしくは存在していなかったでしょう。
そんななかで哀しいニュースが入ってきました。
シヴィル・ウォーからようやくMCUに参戦したスパイダーマン。
今ではアイアンマンの意志を継ぐもののような扱いになっており、これからのMCUの核の一人になったはずなのですが。。。
雑に言うと「金で揉めて、出て行った」というあたりがなんともハリウッド的というかディズニー的というか。。
個人的にはトム・ホランドのスパイダーマンはMCUシリーズ全体でも1、2番目に好きなキャラクターだったので非常に残念、というか諦めきれてない。
どうにかこうにか話し合いを続けてもらってトムホのスパイダーマンは続投させてほしいですね。
(あとMJが可愛すぎるのでもう一度観たいというのもある)
そんなわけで、なんとなくスパイダーマンモードに入った僕は改めてサム・ライミ版のスパイダーマンを観ることにしたのでした。
ポスターの感想
まず映画ポスターから振り返ってみます。
印象的なビジュアルなので記憶にある方も多いでしょう。
このビジュアルですね。
2002年当時としても現在としてもCGのクオリティは高く、古さをそこまで感じないクオリティは感じます。
ただタイトルなどのフォントに関しては少し時代の流れを感じますね。
こういうグラデーションって最近はほとんど見かけない気がします。
さて、このポスターを観て今一番思うことは何かというと。。。
暗い!
暗いですねー、スパイダーマン。
ちなみに最新のスパイダーマンのポスターはこちら。
逆にお前は明るすぎる。
緊張感を持て。
さて、こんな暗いポスター。
当然時代背景が影響しているのは間違いありません。
当時の世界において、そしてアメリカにおいて「変なコスプレを着たヒーロー」というものにリアリティが感じられなかったのは間違いないでしょう。
別に同時多発テロなどに絡めた政治的な話を持ち出したいわけではなく、単純に「そういう映画が当時あまり無かったから」です。
こういうアメコミ映画を大の大人に真剣に観てもらうためには、制作側が今よりもはるかに気をつかう必要があったはずです。
そこでこのポスターでは、大人な雰囲気「夕暮れの摩天楼」というものをメインビジュアルに選びました。
「大丈夫!大人が観ても面白いよ!」と観客にお知らせをしているようです。
結果的には当然ながら大成功だったのでしょう。
子どもの観客だけでは到底到達しない大大大ヒットを飛ばしました。
特に公開初週の観客の入りは当時の最高記録だったらしく、多くの観客は公開前のCMで「ビル群をビュンビュン飛び回る映像」に度肝を抜かれたのでしょうが、その頭の片隅の潜在意識にこのポスターがあったのは間違いないと思います。
映画の感想
2002年の映画とはいえ……ちょっとノイズの多かった映画のようにも思いました。
「リアリティのある映画にしたい」ということと「ヒーローやヴィランの出てくるファンタジー要素」のバランスがいまいち取れていません。
例えばスパイダーマンやグリーンゴブリンは用が済んだらどこかに帰っていっちゃうのですが、何故全く監視カメラなどにおさえられていないのでしょうか。
変にリアリティを意識させられると、そういったディティールのところが気になってきちゃうというか。
グリーンゴブリンのノーマンさんが、大変優秀にも関わらずクビになる理由も全く分からなかったり。
なので彼が復讐のためにグリーンゴブリンになるのもイマイチ納得ができなくて。
「いやぁ、他にやりようがあったろう。。。」と思ってしまうので、バトルでもあまり共感できなかったり。。
MJという問題
これは当時から言われていたことのようですが、ヒロインであるMJが残念ながら。。。
まったく魅力的じゃありません!
可愛いとかブスとかは別として、キャラクター自身に魅力がないのは致命的でした。。。
男をなんとなくコロコロ変えるという謎のモテキャラであること意外には何ひとつ特徴が無く、事件に巻き込まれ始めるとキャーキャー騒ぐだけという。。
これは誰も悪くないのですが、このキャーキャー声がけっこううるさくって。
「もう分かったから少し黙っていてくれないか?」と思うこともしばしば。。。
映画の良かった点
いやいや、色々ツッコミどころはあるけれど、やはりこの映画は偉大であるのは間違いなくって。
この映画、印象として「なんだか暗いヒーローもの」といったイメージだったんですけど、今観るとそれなりにちゃんとヒーロー賛歌でもあって。
ピーターが初めて能力に自覚したあたりは「ひゃっほー」感をちゃんと表現できていると思うんですよね。
ヒーロー映画で絶対に外してはいけない要素は「ヒーロー最高!!!」という瞬間を描くかどうかだと思っていて。
だとしたら、短い時間だったかも知れないけどそこはちゃんと描けていたなと思いました。
まとめ
古さを感じない、とはさすがに言えない年数がたってしまいましたが。
それでも感じるのは制作陣、特にサム・ライミの「俺!スパイダーマンの映画作ってるぜーーー!!!!」という愛情です。
こういう映画において実はそれって欠かせないピースだったりすると思うんです。
「俺はスパイダーマンが好きだ!だからお前もきっと好きになるはずだ!」という厚かましさと図々しさ。
そういう熱量がうまいこと広がった一作だったのではないかなと思いました。
さて、今度は観客が熱いメッセージを伝える番です。
トムホ・スパイダーマンよ!
どうにか復活してくれ!!!
それでは、また。
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