映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

パラノーマル・アクティビティ 《出来はともかく、結果は大成功》

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映画の点数…70点

ポスターの点数…50点

 

夏だ、ホラーだ、B級映画


こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。


今回取り上げる映画はパラノーマル・アクティビティです。


もう10年以上前の映画になるんですねぇ。


僕はもともとホラー映画は苦手なのであまり詳しくありません。


このパラノーマル・アクティビティはどうやら「ホラー映画を普段から観る人」ほど酷評している印象でして。


僕のようなホラー苦手な人間からすると「いや、十分に怖かったけどね」という感じなのです。


初心者向けのホラー映画というのは間違いないのでしょうが、そういう映画も当然必要なのではないでしょうか。


良くも悪くも話題になったし有名な作品でもあるので、ホラー映画の入口としては最適な映画かも知れません。


僕は入口に入ってすぐにまた出ることにしましたけど。

やっぱホラーは毎回苦手です。


とはいえやっぱり夏と言えば、ホラーとB級映画の季節ですよね(断定)。


こんな暑い夜には適度にお寒い映画を観るのが一番でございます。

 

映画のあらすじ


今更あらすじを言うまでもないくらい有名な作品ですが一応。


ケイティとミカ(男性の名前です)は恋人同士で同棲中。


ケイティさんは子どもの頃から【この世のモノではないもの】にまとわりつかれており、その正体が何なのか探るべくミカはハンディカムでの撮影を開始。


しかしそこには予想を超えた事態が待ち受けておりーーー
みたいな感じです。


特別なアイデアがある等は別になくって、モキュメンタリー形式でホラーを撮ったら予算に対して思わぬ傑作が撮れたみたいな感じですかね。

 

低予算映画、からの世紀の大ヒット


この映画、予算が150万円程度で作られたと言われています。


撮影場所は監督の自宅で、キャストもメインが2人、他にも3人程度しか出ない上にみんな無名。


こんな言い方は失礼ですが、ヒロインのケイティさんも巨乳は巨乳なんだけど体型が少しだらしない感じというか。


男性諸君のハートをしっかりと掴みつつも、良い意味で素人感を出すのには成功しているなぁといった絶妙な配役。


モキュメンタリー形式の映画、つまり「たまたま撮影していた映像が世の中に流出しちゃった」系のホラーであるので、不出来な点も観客側がある程度頭の中でカバー出来るというのが映画強みなんですね。


そんなこんなでこの映画、誰しもが予想しない規模で大ヒットしまして。


最終的には2000億円くらいの売り上げを叩きだしたみたいですね。


ディス・イズ・ハリウッド!

 

映画の良かった点


前述の通り、個人的にはしっかり怖かったです。


ホラー映画なのですから、怖かったならそりゃあ合格だと言ってもいいでしょう。


ご飯屋さんに言った、おいしかった、合格!!


みたいな感じですよ。


平場のシーンとホラーシーンの緩急もしっかりついていたと思いますし、後半に行くにつれ事態が加速していくのは良かったと思います。


ケイティさんの恋人のミカさんがウザくてバカすぎるという意見も目にしましたが、僕はアリな範囲のウザさとバカだったとは思ってますけどね。


むしろ彼がウザいからこそストーリーが進むわけですからね。

 

映画の不満点


とはいえ映画として極めて良く出来ているというわけでは決してなくて。


先ほども言ったように多少の不出来さも含めての映画の魅力でもあるのですが、それはそうだとしてもやっぱりおかしな点も多いです。


先ほどミカさんがバカだとは言いましたが、登場人物達がバカなのはまだ許せるんですよ。


でも、明らかに映画の都合上で行動しているような箇所が丸わかりで。


「今まさに悪魔に襲われてる!!」みたいなシーンだとしてもしっかりカメラは持ち歩いていたり、やたらと撮影箇所が的確だったり。


悪魔側も「お前、カメラの位置知ってるだろ」みたいな行動をわざわざとってくれるんですよね。


そんなことされちゃうと逆に観ている側は冷めちゃうというか。


こちらとしても「これが作られたものだと言うのは知っている、でもそれをお前がバラしちゃったらこっちは騙された気持ちになれないだろう」と思っちゃうわけです。


騙すんならちゃんと騙すってことですね。

 

ポスターの感想


映画ポスターは、本国バージョンはそこそこうまくいっていると思います。

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たまたま撮ったものを動画サイトにアップした、みたいな雰囲気をギリギリ保っています。


こういうタイプライターみたいなフォントや、ドライなくらいにザックリと入れたタイトルが良い雰囲気を出しています。

 

ただし日本語版ポスターはその真逆をいっています。

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明らかに「作られたポスター感」を出していますね。


血糊のような文字がタイトルにドーーンときているので「たまたま撮られた感じ」は全くと言っていいほど無くなりました。


売り出し方としてはドキュメンタリー性やサスペンスの要素は完全に無視してきました。


ホラー映画としての表情のみで売り出そうというわけですね。


それが正しかったどうかは分かりませんが、観客のハートを掴むのはかなり早かったのだなとは思います。


それはそれでやっぱり成功と言えるのでしょうね。

 

まとめ


映画もポスターも、意外なまでに「ちゃんとやってる」なという印象です。


そのうえでどこまでを映画のクオリティとして求めるかは人それぞれだとは思いますが、個人的にはやっぱり「なんだかんだ言っても大成功したんだから勝ちだよな」と思ってます。


たまにはこういうハリウッドドリームがあってもいいじゃないですか。


SNS時代の今となっては、それがうまくいくもうまくいかないもコントロールしずらい部分はあると思いますが。


それでは、また。

 


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