映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

ワイルド・スピード アイスブレイク 《映画もポスターも四苦八苦》

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映画の点数…35点
ポスターの点数…70点

 

シリーズ過渡期


こんにちは、グラフィックデザイナーのピースマイルです。


今回取り上げる映画はワイルドスピード アイスブレイクです。


邦題だと何作目なのか分かりませんが、8作目ですね。


なんだかんだで現在スターウォーズと同じ本数映画が存在していることになります。
すごいな。


そして現在、来月の8月に次作の公開を控えています。


次作はホブス&ショウという、ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサム「世界2強のスキンヘッズ」によるスピンオフ。


次作を公開前に、最新作であるアイスブレイクを振り返ってみたいと思います。


ワイルドスピードは10作目で打ち止めという制作サイド発言もあるように、シリーズが過渡期にあるのは間違いないでしょう。


まぁ考えてみたら20年近く続く作品なのに、未だにドッカンドッカン世界中でやってますからね。


「もう少し落ち着けよお前ら」という気もします。

 

映画の感想


えーっと、非常に残念ながら個人的には今作は嫌いな一作でして。


「脚本がいい加減だ!」とか「どっから金を出してるんだ!」とかはもう言いませんよ。


そんなもの「ずっと脚本はいい加減だ馬鹿野郎!」でおしまいです。


それよりも、この作品は【映画の背骨】がないことが問題だと思っていて。


背骨がないのでふにゃんふにゃんなんですよね。


ワイルドスピードにおける背骨とは
「カーアクション至上主義」
「ザ・ファミリー至上主義」
だと思うんですよ。


この二つが出来ていないとこういう感想になるのかなーと。

 

カーアクション至上主義の失敗


ワイルドスピードは何よりも車を主人公にした映画のはずです。


前回のスカイミッションではビルの間を車で飛んでみたりヘリから飛んでみたり打ち落としてみたりと「車だって、空を飛べるぜ?」的なバカ映画でした(この場合のバカは褒め言葉です)。


ところが今作では冒頭のキューバのレースシーンを除けば車はわりとどうでも良くって。


ハッカーに操られて車がブンブン降ってくるシーンは楽しいっちゃ楽しいんですけど「それ車じゃなくていいよね。。。」としか思えないし、ハッカーが有能すぎると結構冷めるし。


後半の雪上のカーアクションは、撮り方が下手だからか「誰がどこにいて、何をしているのか、そして何処に行こうとしているのか」が全く分からないんですよ。


それってかなり退屈ですよね。


車って、信号があったり警察がいたり道路があったり対向車がいたりと「制限が多い」からこそ面白くなると思うんですよね。


そのルールを破るのは楽しいんですけど、あまりにもルールがなさ過ぎると緊張しなくなってしまいます。。

ザ・ファミリー至上主義の失敗


シリーズ4作目以降、とにかくこのシリーズは「ファミリーが一番大事」というファミリー至上主義になりました。


それは別にいいんですよ。


ですがそこで矛盾が生じます。


前々作でファミリーであるハンを殺害したデッカード・ショウまで今回はファミリー感を出しています。


それはいくらなんでもおかしいでしょう。


共通の敵に対峙するために協力関係になるのはまだいいとします。


でもあそこまで積極的に仲よさそうにされると「なんだったんだ今までのファミリーって言葉は」という風にしか思えなくて。


ファミリーという言葉をキーワードに映画をつくるのであればこそ、もう少し気をつかった脚本にするべきだったでしょう。


ジェイソン・ステイサムが人気キャラで多くの場面で活躍させたかったのは分かります。


でも彼が活躍すればするほど冷めちゃうんですよねぇ。。。


出番を減らす必要はないけど、ダークヒーロー的な立ち位置にするとか出来たと思うんですけどねぇ。

 

映画の良かった点


もちろん良かった点もあります。


シャーリーズ・セロンはさすがの迫力で、彼女が何か行動すれば勝てる気がしないオーラをガンガンに出してます。


ジェイソン・ステイサムがこうなってしまった以上、シャーリーズ・セロンだけは確固たる悪役として頑張ってほしいんですけどね。


それにしてもワイルドスピードはいつの間にか追加で出てくる人ほど役者の格があがるシリーズになりましたね。


MCUもそういう雰囲気がありますが、シリーズを長く続けるとこういう展開になっていくんだなと感心します。

 

ポスターの評価

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さすがにシリーズを重ねてきただけあって、もうそんなにパターンは残されてないと思われますが今回はうまいこと乗り越えましたね。

 

舞台が雪や氷の上なので全体的にクリアな雰囲気を演出して。

 

タイトルを使って、今までのメンバー達の分裂構造を伝えていますね。

 

良くも悪くもイケイケで派手だった今までのビジュアルが定着している分、今回のようなポスターもなかなかいいなと思います。

 

もはやワイルドスピードシリーズは、ドムとダッジが写っていれば成立するくらい定着したのかもしれませんね。

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まとめ

 

映画としてはどうかと思う部分も多かったんですが、ここまできたらお付き合いです。


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もうこの際ぶっ壊れ続けて大クラッシュしてシリーズ締めくくってもそれはそれでありなんじゃないかと思ってしまいます。

 

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