メン・イン・ブラック 《お洒落なコメディの最高峰》
映画の点数…60点
ポスターの点数…90点
映画との距離感について
こんにちは、ピースマイルです。
今回は続編の公開が間近に迫った【メン・イン・ブラック】です。
1997年の第一作から現在までに3作品出ていて、いずれも大ヒットを飛ばしてきたシリーズです。
もっとも、個人的な映画との距離感としては「楽しい映画とは思うが、良い映画とは言えない」くらいの感想でして。
バラエティ豊かな宇宙人達は観ていて楽しいのですが、脚本が行き当たりばったりに感じられて。
観ていくうちに「結局ウィル・スミスが解決するんだろうなー」くらいのボンヤリした気持ちになってしまい。
映画の最後らへんでは不思議と「やぁ、もう眠たくなってきたよ」くらいになってしまうのでした。
ちなみに全作品同じ感想です。
まぁ僕がどう言おうが映画は莫大に稼いでいるわけですし世界中の人が楽しんでいるのですから問題なし。
それよりも今回はポスターの話を中心にします。
お洒落なコメディという系譜
まずこの映画を「コメディ映画」と言っていいかは別として、コメディ映画のポスターやジャケットを作る際には一つのコツがあるわけです。
それは「カッコ良くすること」ですね。
ポスターがカッコ良ければ良いほど、映画本編とのギャップが高まりコメディも笑えるというシンプルながら効果的な手法です。
例を挙げればキリがないですが、例えば「ロックストック・アンド・スモーキン・バレルズ」であったり「ブルースブラザーズ」であったり。
その「カッコイイポスター」の最高峰でもあるのが「メンインブラック」シリーズであり、作品のヒットにも大きく貢献していると思っています。
ちなみに日本では「コメディ映画はコメディっぽいポスターにしなければならない」という法律でもあるのか、カッコイイポスターは作らない傾向にあります。
試しに「コメディ 邦画」で検索してみてください。なかなかひどいですぞ。
シリーズ1作目
記念すべき一作目。
構図だけ観るとギャング映画の傑作「グッドフェローズ」にそっくりです。
恐らくですがかなり意識したのではないでしょうか。
真正面を見つめた黒服の二人が立っているというもの。
これだけ見るとまさにギャング映画なのですが、浮き出る風の名前フォントや、メタリックで青白いMIBのタイトルだけで宇宙人感を出しています。
正統派のカッコイイ構図のギャップとしてメタリックな質感を足しているんですね。
実にカッコイイポスターです。
シリーズ1作目(日本版)
はい、台無しですね。
こりゃあひどい。
やはり日本には「コメディはコメディらしく」という法律があるのでしょう。
画面全体から漂うコメディ感。
映画とのギャップは限りなくゼロになりました。
構図の大幅な変更だけでなく、ゾッとするくらいダサいキャッチコピーも堂々たる大きさでのせられていますね。
この「ノリで地球を〜」のくだり。
どこかで見覚えがありませんか?
そうですね、最悪の改題でも名高い「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2」のキャッチコピーに似ています。
ここまでひどく出来るならなかなかの才能です。
そこらへんのデザイン専門学生には無理でしょう。
シリーズ2作目
タイトルよりもデカデカとのっている「BACK IN BLACK」の一言。
これだけですでに100点ですね。
雑に解説すると、一作目でエージェントの職を辞めたトミーリージョーンズが復職するので「黒に帰る=黒服の組織に戻ってきた」ということです。
さらに「BLACK IS BACK=黒が帰ってきた=あいつらが帰ってきた」ともかけてあり、2作目であることも表現しています。
憎らしいですねー。
タイトル「MIB」の「I」の部分を「Ⅱ」に変えるという小技もいいですね。
画面の構図も、前作の黒との対比で真っ白に。
二作目らしいアイデアで続編ポスターを見事に演出しました。
シリーズ2作目(日本版)
シリーズ1作目ほどひどくはありませんが、やはりまぁなんというか。
わざわざ本国版のいいところを消してまわるような作業です。
「VS エイリアン 超攻撃型ユニット完成!」だって。
犬のことを言っているのでしょうか。
どうでもいいですけど。
シリーズ3作目
ようやく文句なしの日本版ポスターです。
というより本国版から変更してないだけですが。
シリーズが3作目にして「MIB」というシリーズの認知度が十分に高いと自信があるからこその判断でしょうね。
まとめ
このようにシリーズを重ねながらポスターも良い方向に変化していくのが面白いです。
こういうのは「売れれば売れるほど認知度が高まる=自由なポスターを作りやすくなる」という好循環から生まれる副賞というか。
もし次作がまたヒットしたら、さらにポスターの格好良さもあがっていくかも知れませんね。
シリーズ4作目の感想はまたいつか挙げたいと思います。
それでは、また。
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