映画のように平面デザイン

年間200本映画を観る地方グラフィックデザイナーが、色んなものを平面デザインでとらえてみます

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー《必然的にこうなったポスター》

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ポスターの点数…70点
映画の点数…77点

 

こんにちは、ピースマイルです。

 

ブログを書いている時点で、アベンジャーズ最新作にして最終作と言われる「エンドゲーム」の公開が明日に迫っております。

 

世界最速のレビューは公開日の早い国から順次出てきているようですので、こちらに出来ることと言えばうかつにネットやSNSで流れてくる情報をシャットアウトするくらいしかやることはないですね。

 

世界最速の方は人様に任せるとしまして、僕は呑気に前作インフィニティー・ウォーを「世界最遅」レビューしてみたいと思います。

 

せっかく最新作を楽しむのであれば、前作を一度振り返ってみようと思ったんですよね。

 

それでは指パッチン鳴らしてレッツどん。

ポスターの感想


なんて言えばいいのやら…結構困るタイプのポスターですね。


映画制作側の要望としてはたった一言だったと思います。


「全員だして」


デザイナーの気苦労がうかがえる仕事ぷりです。


僕も仕事をしていて「全部大事だから、全部のせて」と言われることはあります。


しかも、結構あります。


一応「全部のっけてしまうと、見る側は混乱してしまうので情報は整理した方がいいと思いますよ」とは伝えます。


が、それでも「うん、でもいいから全部のせてよ」というドクター・ストレンジばりの無限ループが始まります。


そうなると作業としてはやることが限られてきます。


ほとんどパズルのような考え方に近いですね。

 

パズルのようなポスター


デザイナーの頭の中を想像しながらポスターを見て行きます。

 

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まず、最重要キャラであるアイアンマンを中央に配置します。


すると必然的に、次に重要なキャプテンアメリカとソーが脇を添えます。


実質的なヒロインのナターシャもここに置きましょう。


あとは左右に一人ずつ、キャラの重要度に応じて並べていきます。


ここで大事なのは「この映画内で重要かどうか」というよりは「今まで発表してきた作品内でのバランス」を重要視しているて点でしょうか。


今作のみに限ったキャラクターの扱いで言うと、ガーディアンズのガモーラはもっと大きく配置されていないとおかしいですよね。


ウルトロンが小さいのもおかしいですし、逆にファルコンやバッキーなどは失礼ながらあまり活躍してないのでもっと小さく扱っても良かったかな。


ブラックパンサーの妹とかポスターに入れる必要もなかったような………いやでも全部入れろという指示だったのでしょう。


そして背後にはラスボス・サノスをドーーーーンと持って来て、最後の味付けにスパイダーマンだけコミカルに中央に添えたら出来上がりです。

 

ネタバレができないポスター


キャラの重要度とポスター内での扱いが等しくないと言いました。


つまり、ポスター内でのネタバレはほとんど皆無と言っていいでしょう。


ここで分かるネタバレがあるとしたら、キャプテンアメリカの容姿が変わっていること、バッキーに腕があることくらいですかね。


あ、あえて言うなら「ロキがいない」こともネタバレの一つと言えるでしょうか。


どちらにせよ、このポスターをどれだけ真剣に見たところで「おいふざけんなよ!ポスターでネタバレしてんじゃねえかよ!」と思った人は極端なアメコミファン以外いないのではないでしょうか。


インフィニティー・ウォーについては絶対にネタバレを避けるべき作品だったのは理解できます。


で、結果的にはこのような「全員平等」みたいなポスターになったのだとうなと推測できます。


次作のエンドゲームのポスターではインフィニティーウォーの結構具体的なネタバレを感じさせる仕様になっているのも興味深いですね。

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お祭りなのだから


以上のような理由を挙げてポスターを掘り下げてみましたけど、実はあまりそんなの関係ないとも思っているんです。


というのも、アベンジャーズは一言で言えば「映画界最大のお祭り」だと言い切っていいわけですから。


そもそも「生物の半分が滅びる」みたいな映画をみんなニコニコしながら観にくるという異常事態なわけですよ。


そのお祭りのポスターが、変に凝っているというのもおかしいではないですか。


ここはもうシンプルに「祭りだよ!全員集合!」というポスターが絶対に正しいのです。


2018年の4月、2019年の4月、世界中の人類が「ヤマザキ春のパン祭り」の次に楽しみにしていた祭りではないですか。


「祭りの開催のチラシ」における最大の効果は「わぁ!楽しそう」につきます。


その点において、やはり今回のチラシは最大限の効果をあげたと言えますかね。

 

不満点


それでもあえて不満点を挙げるならば、全体の色彩でしょうか。


サノスの放つ紫色の炎をイメージしたかのような全体のビジュアルは繊細でかっこいいとは思うのですが、やはりアベンジャーズに求めるのは「陽的な印象」だと思うんです。


せめて映画の内容をふまえてインフィニティウォーが紫の仕様なら、エンドゲームは明るい色にして欲しかったんですけど、残念ながらそちらも同じ紫ベースでした。


アベンジャーズのラストスパートに向けてムーディーな演出をしたかったのかもしれませんが、個人的にはもっと素直にカラッと明るいカラーでも良かったと思っています。

 


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映画の感想


これもまた続きがある映画なので評価しづらい点はあるのですが、さすがに映画内のバランスが臨界点を超えていたなと感じました。


簡単に言えばキャラが多すぎてとても2時間では扱えていないということ。


そしてキャラの性能が違いすぎて同じ映画として楽しみづらいことですかね。


それでも最初の感想は「よくこんなものまとめあげたな」という感心でしたが。


ガーディアンズチームはやっぱり他のチームと馴染みにくいのかなと思いましたね。


クイル達が話しはじめると、途端に映画のテンポが変わってしまいます。


ガーディアンズではおなじみの無駄な会話のやりとりのようなものが、他の映画にやってくると邪魔に感じたりしました。


この映画だけ観れば、クイルとドラッグスは本当に何の役にも立たなかったですね笑


キャプテンとソーのバランスも結構問題ありでした。


映画内でキャプテンアメリカはわりと「おいしい場面」を貰ってるんですよ。


でも逆に言えば、そうでもしないと映画内での価値が低くなりすぎるという心配があったのではないでしょうか。


すでにアベンジャーズのリーダーという職務ではなくなっているキャップは、今となっては「普通の人よりも強い人」くらいの評価なんですよね。


そうなると、ソーあたりが参戦してくると急に役立たず感が強くなるというか。


キャプテンではないキャップの価値とは何なのか。


自作で改めて存在感を出してくれることを期待しています。
(その一方、もう一人の世界最強のキャプテン、マーベルが参戦するんですけどね。マジでキャップどうするんだろ)


何はともあれ、とにかく楽しみにしているエンドゲーム。


改めて前作を復習してからアベンジ(復讐)したいと思います。


それでは。


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